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第20回梓会出版文化賞受賞出版社梓会出版文化賞(株)新曜社 賞状 記念品 金五拾萬円 梓会出版文化賞特別賞(株)凱風社 賞状 記念品 金弐拾萬円 (株)影書房 賞状 記念品 金弐拾萬円 出版梓会新聞社学芸文化賞(株)現代書館 賞状 金壱拾萬円 (株)東京堂出版 賞状 金壱拾萬円 第20回記念 梓会出版文化賞特別賞京都大学学術出版会 賞状 金壱拾萬円 (株)工作舎 賞状 金壱拾萬円 (株)青土社 賞状 金壱拾萬円 梓会出版文化賞の20周年を迎えて紀田順一郎 出版文化に貢献梓会出版文化賞が今回で二〇周年を迎える。私は第一回から一三回までと、今回の記念すべき第二〇回について選考委員会を努めさせていただいたので、感慨もひとしおである。 文学賞は多々あれども、出版社を対象にした賞は前例がない。選考委員を引き受ける際に「厳しい環境の中で優れた書籍出版を行い、わが国の出版文化に貢献している出版社の中から毎年一社を選び、その業績を顕彰する」という趣旨を聞いて、簡単に理解できたつもりではあったが、実際に自薦リストが送付されてきた時には、身が引き締まる思いと同時に、いささか慌てたというのが正直なところだった。というのは、そのリストには、百社前後の出版社の計数百点にのぼる図書が掲げられていたからである。 出版評論を専攻していても、不得意な分野があるのは当然で、私は選考委員会開催までの二、三ヶ月間、書店や図書館をまわって集中的に勉強した。候補出版社の推薦リストを提出する際には、何度も書き直した。ほかの委員各氏の考えも気になったが、結果は予想したほど分散しなかったので、やや安心した。当時の選考委員は私のほかはすべて新聞社学芸部の書評欄を担当されたり、家庭欄で生活関連部門の新刊書を紹介されたりして、出版界の動向によく通じておられる方々に委嘱されていた。私は年齢順ということか、司会役を仰せつかったが、他の委員の見解を調整するのが主な仕事と思っていた。 「志出版」調整といっても、委員はそれぞれジャーナリストらしい時代感覚を背景に、出版に関して一家言の持ち主である。これはその後の回すべてに共通することだが、推薦出版社を一社にしぼることは非常に難しく、議論が長時間に及ぶのが常だった。 このような議論の間に煩繁に出てきた言葉が、まず「志出版」ということばである。出版社としての理想、こだわりをどこまで実現しているかということだが、各委員の脳裏に浮かんでいたようである。「編集マインド」という言葉もしばしば耳にした。これは志出版と根底では同じ意味だが、学術教養出版における編集者としてのセンスを指したもののように思われる。ジャーナリストらしい見方であると思った。 いずれにせよ、このような選考委員会の雰囲気のもとに、第一回の選考を無事終了した。その後の数回も同じ基調の中で推移したのであるが、対象となる書籍の多くが学術専門書であることを鑑み、学界の方のご意見も反映させたらという声があがり、現在の委員構成ができあがった。もとより多数の出版社の活動について、委員の目が届かない部分もあるが、そのような場合には梓会側の意見や助言も十分参考にしながら、大過なきを期したつもりである。 出版人としての心意気委員それぞれが「出版の理想とは何か」を念頭に置きながら、白熱の議論を交わした思い出も多いが、もう一つ印象に残るものは授賞式の光景である。毎年、授賞された出版社の方々による、出版人としての心意気の溢れた挨拶が印象に残る。ベストセラーズとは無縁な志出版の困難性と、それを一つ一つ乗り越えてきた歴史が語られる。時には声を詰まらせる方もあり、こちらも非常に感激させられる。耳を傾ける来会者のすべても同じ思いなのであろう、会場が連帯感に包まれているのがわかる。梓会出版文化賞ならではの、独特の雰囲気である。 出版界多難の折から……という言葉は、私が選考委員を代表していた際の挨拶に、例年用いて来たものだが、その多難性はいよいよ大きなものとなっている。しかし、それにつれて梓会出版文化賞の意識もますます大きく、重要なものとなっていくことにちがいない。二〇周年にあたって、本賞の一層の発展を祈りたい。 梓会出版文化賞受賞出版社
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