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―決して 忘れては ならない―
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澤田愛子著四六判 3360円(税込)創元社( この本のページ )
本書において、私はホロコーストの歴史的背景とともに、一二人のホロコースト・サバイバーの証言を紹介してきた。(中略)
これらの証言から読者は何を感じ取ったことであろうか。史実を歪めるホロコースト否定論が欧米社会で吹き荒れる中で、まずあの未曾有の大災厄が、ほんの六〇年ほど前に本当にあったことを確認したかもしれない。自ら極限の悪を体験し奇跡的に生き延びた人達の伝える言葉ほど重いものはない。これらの証言者達は、ナチが、現場で犯罪の痕跡を消去したに留まらず、表現をはるかに越える屈辱と悲しみをサバイバーに与えることによって、その口をも封じようとした策略に抗するために、日々全力を傾注して闘っている人ばかりであった。彼(女)らは、自分達が不思議に生き残ったのは、このことを、つまりナチズムの信じられぬほどの悪行を後世に伝える使命があったからだと確信していたし、また、「是が非でも伝えねばならぬ」という思いが、自分達を生存につなぎ留める原動力になったと信じていた。(中略)
サバイバーの大部分は語らなかったし、語る勇気を持った人達も、そのうち、沈黙するようになっていった。すると、もともと社会は、そうした話を聞きたくはなかったのだから、ますます無関心を強めていった。こうして、サバイバーと社会はまるで沈黙を申し合わせたかのように、二重の壁を築いていったのである。(中略)
だが、十分ではないとしても、長い沈黙の後にせっかく開いた風穴を、社会は怠慢や無関心によって再び閉ざしてしまうことだけは避けなければならないだろう。それは同時に、ホロコーストのみならず、今もなお世界のいたる所で生じているさまざまな災厄の記憶を風化させずに、語り伝えていく努力にも通じる問題であると思うからだ。せっかく重い口を開いて語り始めた人達の口を再び閉ざさせるようなことがあってはならない。そればかりか、過去の負の記憶を直視する眼差しを社会はさらに強化していくべきであろう。(中略)
何度も言おう。不幸な災厄の犠牲者達を忘却のうちに二度殺すことがあってはならない。これは今生存しているすべての人間の義務である。 「おわりに」より
08.04.21 愛国者の座標軸
08.02.21 発達としての共食
08.01.21 即効即決! 驚異のテレアポ成功術
07.12.21 コピー用紙で折る
07.11.21 なにわ大阪食べものがたり
07.09.21 企業不祥事事典 ――ケーススタディ150―
07.08.21 海を抱いたビー玉 ―〜甦ったボンネットバスと少年たちの物語〜―
07.07.21 少数言語としての手話
07.06.21 「いのち」の話がしたい
07.05.21 幕末下級武士の絵日記
07.04.21 「生死」と仏教―名僧の生涯に学ぶ「生きる意味」―
07.03.21 書物の日米関係
07.02.21 団塊の楽園
07.01.21 竹内好セレクション 全2巻
06.11.21 『怖るべき天才児』
06.09.21 心の荷物をすっとおろす 号泣力
06.08.21 嘘とだましの心理学―戦略的なだましからあたたかい嘘まで―
06.07.21 変化に直面した教師たち
06.05.21 ガイドブック 成年後見制度
06.04.21黄金期歌舞伎名優アルバム
06.03.21動物おもしろ基礎知識
06.02.21辞書の政治学
06.01.21蘇我氏四代
05.12.21聴覚障害者への統合的アプローチ
05.11.21中国古典小説選
05.09.21アキラの地雷博物館とこどもたち
05.08.21母さん僕のために泣かないで
05.06.21夜の記憶
05.05.21古代日本の女性天皇
05.03.21ようこそ、ろうの赤ちゃん
05.02.21航空「2強対決」11選
05.01.21NPOと新しい社会デザイン
04.11.21犯罪科学捜査