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―日本の古代、なぜにかくも多くの女性天皇が登場したのか?―
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吉野裕子著四六判 2625円(税込)人文書院
冒頭でも触れたが、夏・殷・周から清国に至るまで、数千年に及ぶ中国の各王朝には、かつて女帝は存在しなかった。その唯一の例外は唐の則天武后であるが、史家はこれをよろこばず、彼女の建国による周の存在さえ、これを積極的には認めたがらないのが実情である。
それに較べ、日本には卑弥呼の女王国を始め、推古天皇以後、古代日本には八代六天皇の存在が数えられ、女性天皇として堂々、登極されている。
「比較」ということが、文化論、或いは文化学の中の一つの重要ジャンルであるならば、この現象こそ日中両国間における最重要のテーマではなかろうか。しかもこの比較は私見によれば、かつて何人によっても研究のテーマにさえされなかったように思われる。
多分、その理由は、この比較には、
・日本原始蛇信仰
・中国古代哲学・易五行の導入による物心両面の変革
この二点の関連の分析が絶対必要であったにもかかわらず、この二点の研究が従来の日本学において、全くといっていい程、欠落していた為ではなかろうか。(中略)
本書の内容を一言にしていえば、
・第一部は、縄文時代における祖神としての蛇信仰と、弥生時代における鼠の天敵として稲田の守護神、倉稲魂神の神格付加、の実情の探究、
・第二部は中国の女帝皆無の原則を知ってしまった日本知識人たちの、それへの対処法、である。
蛇信仰は縄文・弥生を通して女主優位の女王国の隆盛をもたらし、中国哲学導入後は、一転、この女性優位を欠点とみなし、それをいかに克服し女性天皇の存在を負から正に転換させるか、その苦心経営の経緯である。この二つが日本の柱となるが、しかもなお原始蛇信仰と易五行はよく習合し、日本の祭・行事をつくり上げて来た。(中略)
要するに、従来の私の説の究極の行きつく処は、革命を避け、天皇制を藤原氏がその始めから支え、これを自己権力維持の為に極力かつ巧みに発展させたことにある。これが本書のテーマでもあって、その点を汲み取って頂ければ本書刊行の意義も自然に納得して頂けることと思う。(後略)
08.04.21 愛国者の座標軸
08.02.21 発達としての共食
08.01.21 即効即決! 驚異のテレアポ成功術
07.12.21 コピー用紙で折る
07.11.21 なにわ大阪食べものがたり
07.09.21 企業不祥事事典 ――ケーススタディ150―
07.08.21 海を抱いたビー玉 ―〜甦ったボンネットバスと少年たちの物語〜―
07.07.21 少数言語としての手話
07.06.21 「いのち」の話がしたい
07.05.21 幕末下級武士の絵日記
07.04.21 「生死」と仏教―名僧の生涯に学ぶ「生きる意味」―
07.03.21 書物の日米関係
07.02.21 団塊の楽園
07.01.21 竹内好セレクション 全2巻
06.11.21 『怖るべき天才児』
06.09.21 心の荷物をすっとおろす 号泣力
06.08.21 嘘とだましの心理学―戦略的なだましからあたたかい嘘まで―
06.07.21 変化に直面した教師たち
06.05.21 ガイドブック 成年後見制度
06.04.21黄金期歌舞伎名優アルバム
06.03.21動物おもしろ基礎知識
06.02.21辞書の政治学
06.01.21蘇我氏四代
05.12.21聴覚障害者への統合的アプローチ
05.11.21中国古典小説選
05.09.21アキラの地雷博物館とこどもたち
05.08.21母さん僕のために泣かないで
05.06.21夜の記憶
05.05.21古代日本の女性天皇
05.03.21ようこそ、ろうの赤ちゃん
05.02.21航空「2強対決」11選
05.01.21NPOと新しい社会デザイン
04.11.21犯罪科学捜査