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―この力強い人生に励まされる―
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リンダ・リア著 上遠恵子訳 四六判上製 5250円(税込) 東京書籍
八〇〇頁である。いくら地球環境への意識が高まっていて、警鐘を鳴らした元祖の伝記決定版だからって、こんな厚い本、誰が読むの?『センス・オブ・ワンダー』にはすごく共感するし、憧れはあるけど、『沈黙の春』は重苦しくて読み通せないし、あのノリだと「ご立派」でつまらないのでは?
いえいえ、ところがところが。こんなに面白い伝記はそうそう無いと思う。とくに女性にはたまらない。カーソンは一九〇七年から六四年にかけてアメリカで生きた。内務省魚類野生生物局に勤務して家族を養いながら、作家になるという幼い頃からの夢を着実に実現させベストセラー作家となり、やがて『沈黙の春』の出版によって政府を巻き込んでの大論争を引き起こし、新時代をつくりだしていく。生活の糧を得る闘い、家族の世話と仕事の両立、創作の孤独のなかで求める愛情、相次ぐ病、そして「作家になる」という以上の高い志と使命感。これらすべてが十年にわたる二百人以上への取材から明らかにされ、生き生きと描かれており、かならず読む者を励ましてくれる力強い伝記なのだ。
―家庭レベルで考える地球温暖化―
田崎久夫著 四六判 1300円(税込) 日本教文社( この本のページ )
環境問題が大切だということをたぶん誰もが感じている。空き缶やペットボトルをリサイクルにまわす。買い物にエコバッグを持参する。少々高くても再生紙のノートを使う。しかし「環境にいい」取り組みをしているはずなのに、実際に環境がよくなったという話をサッパリ聞かないのはなぜなのだろうか?
本書は、環境問題の中でもとくに「地球温暖化」をテーマに、そのメカニズムを分かりやすく解説している。「地球温暖化は、私たちの生活習慣が生み出した、いわば『生活習慣病』。健康を取り戻すには、これだけしていればよいという免罪符はない。ひとりひとりが生活習慣を見直し、もっと根本的な体質改善をしていくことが必要」と著者は言う。
親子の会話形式で構成されていて、子どもたちの素朴な質問がするどい。「温暖化といってもどのくらい暑くなったの?」「なぜ地球が暖まるの?」分かったつもりになっていた事柄の多さに驚く。
いま私たちは何をするべきか?家庭レベルで生活習慣を考え直してゆく、家族で読みたい一冊。
―地球滅亡か、環境保全か?―
サイモン・レヴィン著 重定南奈子・高須夫悟訳 四六判 2940円(税込) 文一総合出版
生物圏の複雑適応系がいかにして自己組織化するかという問題には、様々な議論がなされてきているが、本書での著者はあくまで公平な立場から論を展開する。「もしかすると自然はそれほど脆弱ではないのかもしれない。自然は結局、複雑適応系のひとつであって、環境ストレスにさらされれば変化をとげて新しいシステムへ移行するのであろう。しかし、人類が依存しているサービスを保持する点においては脆弱である。こういったサービスを保持する上でシステムが頑強さを備えていると期待できる理由は何もない」と。
著者は「自己組織化」と「進化」の観点から生物圏の複雑系構造と機能を理解し、この系がいかに維持され、進化し、どのような適応力を持っているのか、またその適応力にはどのような限界があるのかを解説する。また生態系の維持・消滅について、何が予測できるのかを明らかにして、その上で現実的かつ有効な環境保全の指針を明晰に説いてくれる。
人類が「持続不可能」な滅亡への道へと進まないために。
―環境会計の視座―
石津寿恵著 A5判 3150円(税込) 白桃書房( この本のページ )
地球環境問題は、地球に生息するすべての主体が対処すべき大きな課題である。それは企業にとっても例外ではない。企業の地球環境問題への対応が経営成績に影響を及ぼすようになり、また地球環境保全への対応が地球市民としての企業の存続にとって必要となってきているからである。企業には自らが行った環境保全対策について、前者の意味では伝統的な財務報告の視点から、後者の意味では環境権や環境責任の視点から、ステイクホールダーに環境情報を開示する必要が生じている。
本書は環境会計について、環境会計情報を中核に据えながら、実務書としての側面と研究書としての側面とを巧みに結合したものである。ここでは、環境報告書のみならず有価証券報告書をもとりあげながら、現在多様な発展を遂げている環境会計について、財務情報と非財務情報の二つの要素に分けて捉え、目的適合性の視点から整理・考察している。また、地方自治体の環境会計について、実態調査を踏まえた検討を加えており、この領域に関心を持つ者に必読の書である。
―環境再生と政策が未来を開く―
北村修二著 A5判 2730円(税込) 大明堂
近年国際化、グローバリゼーション化が急速に発展し、それに伴う再編成には著しいものがある。実際、わが国資本の海外への進出のみならず、世界的規模で、ヒト、モノ、カネ、情報などが世界を駆けめぐる状況さえ呈している。
しかし、国際化の大きな進展のもとで、産業の空洞化のみならず、バブル崩壊後の不況が進展し、雇用不安や失業が蔓延するなか産業や地域の再編成化も大きく進展するが、それに対する適切な対応や新たな方向性を見出せず、日本経済だけでなく日本社会そのものも閉塞・沈滞状況に陥っている。とりわけ世界的に深刻化している環境問題は最も重要な課題である。環境に対する再生への取組みと政策こそが未来を開くものとして強く求められているのである。
* * * *
◆国際化に伴う再編成問題・それを取り巻く環境/他
◆環境問題と環境政策・現況/他
◆ISO14001と自治体と企業の環境への取り組み・認証取得の状況と環境問題/他
◆地域開発と環境問題・地域開発とそれをめぐる課題/他
―環境先進国に学ぶ―
今泉みね子著 四六判 1890円(税込) 白水社( この本のページ )
ドイツでは約五〇、日本では一九〇〇――これはゴミ焼却場の数である。なぜこれほどの差があるのだろうか。理由の一つは、環境先進国といわれるドイツではゴミそのものが少ないからである。
全国の自動販売機のカン、ビンの半分は再使用方式かデポジット方式を採用、カッセル市では使い捨ての容器に税金が課されるし、ミュンスター市では金属、木、ガラスを取り除いた残余ゴミさえメタンガス発生に利用している。ゴミが少ないのも当然なのだ。
本書では、こうした先進的な政策の原動力となった十人を取り上げ、その卓抜したアイディアや活動を追いながらゴミや二酸化炭素の削減、熱電併給(コジェネ)、省エネ、交通政策、エコ建築等々の最新対策を報告する。八章、九章の「環境に配慮した企業経営」を掲げて成功した二人の企業人の例は、日本でも多いに参考になるだろう。各章末には、市町村のモデル事業や〈企業の環境管理のためのチェックリスト〉等、有益な関連情報及びアドレスも掲載した。環境問題に関心を持つ自治体、企業、市民団体の必読書である。
―里山復元活動の実践マニュアル―
養父志乃夫著 B5判 2800円(税込) 農山漁村文化協会( この本のページ )
ついこの間まで、私たちの生活を支え、多くの生きものを育んできた里山が荒れ果てようとしています。里山は、雑木林、林縁、土手、沢、溜池、湿地、田んぼ、小川、人家などによって構成され、人と生きものの営みによって営々としてつくりあげられてきた、私たちの原風景です。今、その営みの「わざ」が忘れ去られようとしております。
本書は、長年、全国各地の里山の生態環境の回復に奮闘してきた著者が、荒廃した雑木林、田んぼ・あぜ、溜池・湿地・小川ごとに、事前調査法、修復法の手順、育成管理法、さらに市民の手による管理法や活用法まで、詳しく紹介した里山の復元活動の実践マニュアルです。雑木林の萌芽更新法、貴重な野草を育成する選択的刈払い法、漏水を防ぐ修復工事法、ホタルやトンボやメダカを呼び戻す水辺植生の育成工法など、環境行政マンから土木業者、ビオトープ管理士の方々に必携の書です。
また、著者の新刊『ホームビオトープ入門』(一六一九円)には、手軽にできるビオトープガーデンの作り方が紹介されています。
―リスクマネジメントのあり方を問う―
中谷内 一也著 A5判 2100円(税込) ナカニシヤ出版( この本のページ )
Nox、プルトニウム、ダイオキシン、環境ホルモンなど、私たちの身の回りには環境にかかわるさまざまな「リスク」が存在します。私たちがこうした環境リスクを認識するメカニズムは、どのようなものなのでしょうか。また、私たちはどうすればそれをリスクとして認識するのでしょうか。本書は、こうした環境リスク認識のメカニズムを、最新の認知研究の成果をもとに平易に解説します。さらにはそれをふまえて、専門家や行政、企業が行うべきリスクアセスメントのあり方――人々にリスクの重大さをいかに効果的に伝えるか――を提示します。
しかし、現実には、政府・企業のリスクマネジメントは、市民の信頼を損なう形で行われることが少なくありません。環境リスクマネジメントにおいて、政府、企業、専門家、市民の間での信頼関係が重要なのはもちろんですが、本書では一歩踏み込んで、現実に信頼関係の構築が難しい状況での合意形成のあり方についても提言を行います。環境問題を具体的に解決するためのリスクマネジメントのあり方に、一石を投ずる一冊です。
―建築緑化、まったなし!―
船瀬俊介著 A5判 2310円(税込) 築地書館( この本のページ )
ヒートアイランドで熱帯化する都市・・・・
もう緑化抜きでは建築は語れない。
先端企業、緑化テクノロジーの最新情報満載。
●大都市圏のヒートアイランド対策、屋上緑化から、校庭緑化ビジネスまで。
●プロが解説、成功? 失敗?
屋上緑化のかんどころ。
●間伐材利用の杉チップから、木炭、火山灰、苔まで緑化に活躍。
●地熱住宅、燃料電池、ソーラーウォール、風力発電ビル……
●緑の技術こそ、大不況克服のブレイクスルー。
●ここまで来た省エネ技術! 21世紀はゼロ・エミッション住宅の時代。
巻末には、
●緑化推進の全国自治体47窓口、一挙掲載
●注目! 先端企業81社、一挙掲載
●緑化、省エネ技術143アイテム、一挙掲載
―自然はメス化していなかった!―
西川洋三著 四六判 1680円(税込) 日本評論社( この本のページ )
環境ホルモンは、ホルモン作用によって野生生物をメス化させるなど生殖機能に害を与え、人間の未来をも脅かす物質だとされた。ただ、これまで示されきたのは、あやふやな状況証拠だったり、三〇年以上前の物質汚染のことだったり、危険性を訴えるには疑わしいと思われるものが多かった。
日本で騒がれる以前に、アメリカでも問題になっており、著者は企業で安全性にかかわる立場からその当時より研究を重ねてきた。しかし、マスコミが流す洪水のような情報になすすべもなく、研究者や行政も注目を浴びることや予算獲得のため、「危険だ」と主張することがほとんどであった。
著者は、測定や分析結果から環境ホルモンは安全だと判断し、そう考えるようになった道筋を明快に示す。「安全」というには「危険」を指摘するのに比べて一〇〇倍の自信がなければできない。それが実感できる好著である。
シリーズ 地球と人間の環境を考える(第1期6巻)
『地球温暖化』『ダイオキシン』『酸性雨』『リサイクル』(発売中)、『エネルギー』(近刊)
―環境問題の背景とポイントがわかる!―
佐々木宏著 四六判 1470円(税込) 同文舘出版
環境問題は、誰しも関心を持たなければならない問題である。にもかかわらず、このテーマに関しては、関心を持つ者とそうでない者とに、ハッキリと二分される。なぜ、環境保護の精神は、思うように広がらないのだろう。
それは、環境問題が難しく語られ、敷居を高くしているからではないだろうか。なじみのない記号に、聞いたこともない化学物質。「生態系に異変が起きている」といわれているのは遠く離れた場所で、行ったこともなければ知った人もいない。
そこで本書では、環境問題を身近なものと感じ取ってもらい、「行動」を促す1冊となるよう努力した。サラリーマンの上司と部下の会話をベースに、4コマ漫画や用語解説を織り込みながら、日常シーンの中で環境問題を取り上げて、わかりやすく解説している。環境問題の敷居を下げ、注意を引きながら、より多くの方々の共感を獲得するためである。
本書を読まれた方が、飲み屋で、会社で、家庭で、手軽に環境問題を語るための素材として利用していただければ本望である。
08.04.21 ラテンアメリカは世界を変える!
08.03.21 お父さんのための「自立」支援講座
08.02.21 受賞図書!
08.01.21 家族って何?
07.12.21 地図と年表―不思議に満ちた世界
07.11.21 お父さんからの本の贈り物
07.10.21 明治―近代日本の出発点
07.09.21 もうひとつの古代ローマ
07.08.21 幽霊・お化け・妖怪の本
07.07.21 新ネットワークが社会を変える!
07.06.21 電車に乗って―書を持って、旅に出よう!
07.05.21 プロになる!
07.04.21 ぼくらの科学 生命 宇宙 数学
07.03.21 文章読本 愛と涙と感動を文字に
07.02.21 『それってどうなの?』
07.01.21 最近わたし疲れてます。
06.12.21 もっと笑いを! 大入り満員 大繁盛
06.11.21 ことばとともに味わう、写真の本。
06.10.21 となりのイスラーム ムスリムのありのままを知る
06.09.21 『1968年』の変革は、今どのような意味をもつのか
06.08.21 ペットと暮らして気づいた人生の意味… ペットと暮らす―愛すべきペットのすべて―
06.07.21 昭和と平成の歴史的結節、そして現在 近代天皇制を問い直す―その来し方・行く末
06.06.21 「下流」とは誰か―日本を蝕む格差社会
06.05.21やったぶんだけ深く楽しめます。何歳からでも遅くない。アート・学問への誘い
06.04.21身体と文化が交差する地点 性(セックス)とは何か 禁忌と好色
06.03.21旅大全―出会いと発見の宝庫
06.02.21“子どもたちの世界”に何が…
06.01.21現代に生きる和のこころ、伝統のわざ
05.12.21もうひとつの自伝・評伝
05.11.21大人のための絵本と童話
05.10.21「老い」をどう生きるか どう支えるか
05.09.21こだわりの食と酒と…
05.08.21動物のことをもっと知りたい
05.07.21東アジアの過去、現在と未来
05.06.21ビジネスの倫理〜会社は誰のものか?
05.05.21頁をめくれば家が建つ 理想の家
05.04.21戦後60年の人・暮らしとその精神
05.03.21躓いたって、叩かれたって、私の人生
05.02.21身近なナショナリズム
05.01.21散歩大全
04.12.21文化系のための科学入門
04.11.21キリスト教文化の謎と魅力
04.10.21環境の過去・現在・未来を考える
04.09.21家族とことばを交わしていますか 子どもも親も、元気になる本
04.08.21未知の帝国アメリカ
04.07.21昭和という時代を知る
04.06.21手から手へ伝承したい〈手仕事〉の世界
04.05.21不思議、おもしろ、驚き! おもしろ事典
04.04.21いま『食』の現在を読む
04.03.21生きる力としての宗教
04.02.21変貌するボランティアと福祉制度
04.01.21仕事と夢とプライドの調和
03.12.21私の世界理解元年
03.11.21絵と図の力――情報と解説の魅力
03.10.21定年前/定年後 定年してからが面白い!
03.09.21環境立国、環境経営ニッポン
03.08.21子供が自分自身を確立するとき こころとからだの「闇」からの脱出
03.07.21テロ、イラク戦争、有事法制…平和への道につなげたい
03.06.21「江戸開府400年」を読む
03.05.21ことばの世界を探る 日本語と時を過ごす…
03.04.21生き生きと生きるために
03.03.21おとなのための総合学習
03.02.21再生の叡智結集!
03.01.21凛とした精神の結晶
02.12.21伝承すべきこと、変わるべきこと
02.11.21素敵なあしたそして夢を
02.10.21web化一周年記念企画 いま、専門書・学術書がおもしろい! その装丁、その独自の世界
02.09.21一度限りの大切な人生
02.08.21傷ついた地球の未来は…
02.07.21もっと知りたい隣の国―韓国
02.06.21歴史に誘われて
02.05.21現実を見極め、錯覚からの脱出
02.04.21知恵と勇気を与える一冊
02.03.21学校が良くなる、教育が変わる
02.02.21新しいアジア像の創造
02.01.21この一冊から始めてみませんか
01.12.21富は日本人を豊かにしたか
01.11.21クリスマスに贈りたい本
01.09.21限りなく愛するとは…最も個人的な心の世界へ
01.08.21ゆっくりと日本を考えよう