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―ジェンダー・フリーの教育へ向けて―
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相良順子著 A5判 5040円(税込) 風間書房( この本のページ )
子どもは男性と女性を、発達のかなり早い段階で区別する。そしてそれぞれの性に何が期待されているか、人生の最初の数年で学習していく。しかし、小学校に入り社会的な認知能力が発達するとともに、子どもは性役割のステレオタイプに対して自分の態度を形成し始める。
現代は伝統的な価値観が大きく変化している時代である。近年日本の社会でも、女性の社会進出が顕著になり、伝統的な性役割観が昔ほど期待されなくなってきている。しかし、小学生を対象に行った調査では、子どもは依然として伝統的な性役割観を抱いているという報告が多い。
このような状況の中で、本書は発達心理学と社会心理学の境界に在って、今まで研究例が少なかった「子どもの性役割態度」に総合的な視点を当て、その形成と発達を考察した。すなわち児童期の子どもの性役割態度がどのような発達を遂げるのか、また環境要因はいかに影響しているのかを、事例も含めて詳細に検討している。
発達心理学の学術書ではあるが一読をお薦めしたい。
―少年犯罪の被害者になるということ―
黒沼克史著 四六判 1680円(税込) 草思社
敗戦後間もない時期につくられたまま放置された「少年法」が、加害者と被害者のあいだに驚くべき不公平を生み出している現状を、実際に六つの被害者家族に寄り添うようにして静かに描き出しているのが本書である。
長崎の事件で、刑事事件とならない十四歳未満の犯罪がクローズアップされている。本書でも十四歳未満の少年による殺人事件が取り上げられているが、被害者となった、やはり十四歳未満の少年とその家族がどのような苦痛を強いられるか。信じがたく理不尽な現実がそこには描かれている。
マスコミではまたぞろ厳罰化が是か非かが論じられているが、問題はそこにはない。現状ではどんな凶悪犯罪であっても、事件の事実認定がきわめて曖昧にしかおこなわれていない。そこに大きな問題がある。加害者が自分のしたことに厳しく向き合うこともなしにどのような更正が可能だろうか。
犯罪被害者になることのあまりにも理不尽な現実を見つめて、加害者も被害者も含めて、子どもを守ることの意味を問い直すために本書は必読の書である。
―「心の闇」をつくるもの―
アリス・ミラー著 山下公子訳 四六判 2940円(税込) 新曜社
殺人者は子ども時代に魂を殺されている――知性があり、優しく、感受性も豊かな少年バルチュが四人の幼児を残虐このうえない仕方で殺害したことを知って、著者は道徳的な意味で憤慨したりはしなかった。精神科の医師として、同じことを空想や幻想の中でやったと語る患者に、たくさん出会っているからだ。
彼らに共通の幼児体験は、親の一方的な愛と鞭。子どもの心に寄り添うことなく、自分の価値観を強制し、子がそれに従順であるかぎりは愛撫を惜しまず、従わなければ容赦なく鞭をふるう。子どもは怒りと反発を無意識のうちに抑圧して「いい子」になるが、その怒りにはいつか火がつく。
ただ、大多数の人間は、無意識の復讐心を何らか別のかたちで表出しているがゆえに、殺人を実行せずにすんでいるに過ぎない。
しつけ・教育という名による人間破壊のプロセスと結末の最もラジカルな分析として衝撃的話題となった欧米のベストセラー、日本でも多くの読者の切実な共感を呼び、すでに二世代を超えて読みつがれている。第27刷出来。
―トービィの決断とは―
J・ジャーマン作 橋本知香訳 四六判 1470円(税込) 偕成社( この本のページ )
イギリスの中学を舞台に、十二歳の少年たちの心情をリアルに描く。作者は「共生」の難しさを鋭く問い直し、根元的問題に迫る。
転校生のダニーは、マイペースで、年のわりに子供っぽく、場の雰囲気をよめない。クラスのリーダー格であるニックは、そんなダニーの存在自体にいらつく。トービィは、幼なじみのダニーにうんざりしながらも、いじめをとめたいとは思っている。しかし、結局強気なニックに流され、ニック率いるグループとともに、ダニーを命の危険にまで追いこむ。
個性の確立とともに、生きるテンポも考え方も見た目も、一人一人違ってくるのが十二歳の頃。強者が、弱者をいけにえにする喜びを知るのもこの頃だ。
共生とは「相手の存在を認め、越えてはならない線をふまえて、つきあっていくこと」である。では、理解できない存在、好きになれない存在を認めるにはどうしたらいいのか。この答がまだでていないのは、世界でおきている紛争をみても明らかで、単なる“いじめ”の問題ではない。「人類共生」の鍵がここにかくされている。
―悲しみを乗り越えて生きる子どもたち―
植松二郎・文 末崎茂樹・絵 A5判 1575円(税込) 佼成出版社
さまざまな理由から、親と離れて児童養護施設で暮らす子ども達は、現在、全国で約三万人いる。本書は、昨秋、青少年育成国民会議などが主催した「少年の主張」全国大会で、総理大臣賞に選ばれた中学三年(当時)の西誠君が共同生活を送る、長崎県島原市にある養護施設「太陽寮」の子ども達の姿を通して、彼らの心に去来する寂寛感・孤独感、そして親への計り知れない想いを、ていねいにすくいあげている作品である。著者は、「自分に欠けたところ、自分の不運なところはだれにだってある。それから逃げるのではなく、逆にそのところを通じて得る力はとても尊いのだ。人からもらったもではなく、自分で手に入れた力だから」と言っている。
決して癒えることのない深い悲しみを抱えながらも、寮長先生をはじめとする周りの大人たちの力を借りて、自分の人生と懸命に向き合う子ども達。その姿は、「生きる力とは何であるのか」を惜しみなく伝えるとともに、読者たちに幸せの意味を改めて提示する。感動のノンフィクション作品。
―12歳で孤児になった著者の子ども論―
佐野美津男著 B6判 1300円(税込) 農山漁村文化協会( この本のページ )
著者は、一九四五年三月十日の東京大空襲により12歳で孤児となり、十代のほとんどを放浪し、十代の終わりから詩を書きはじめ、25歳から児童文学を中心とする文筆活動に従事。相模女子大学教授。一九八七年沒。一九七〇年代から「子ども学」を提唱し、その体系化に取り組んだ。その成果が本書であり、本邦初の「子ども学」の誕生である。
佐野美津男の「子ども学」の特徴は、「子どもとはかくあるべし」というきめつけを排し、子どもというのは、まずもって観るべきもの、観なければわかるはずがないという考えを強く打ち出していることである。
そして、おとなを観る子ども、子どもから観られるおとなたちという関係の構造が考察される。
「子ども学」とはなんだろう?「童心主義」「体験主義」はなぜいけないか? というような具体的な設問を足がかりに、「子ども学」の成立・展開・研究を詳述している本書は、「12歳」を考える先駆的・根源的本と言えよう。
―自ら学ぶ姿勢を育てる―
笹田哲夫著 A5判 1680円(税込) 学事出版
今、子どもの学力の低下が問題になっている。しかし、学力を高める方法は、計算をさせたり、漢字を覚えさせたりするだけではない。
勉強のしかたの問題のほかに、人生の目的・生き方が定まり、学ぶ目的(動機づけ)がはっきりしていることが必要であるし、家庭のしつけ・学校での学習指導・学習環境・教師のあり方などが重要であるし、学び方を学ぶ能力・人に尋ねる能力やコミュニケーション能力など広範囲の物事が関係する。
本書では、このように様々な側面から、子どもの学ぶ力(学力ではない)を育てる方法について、心理学の理論をベースに、心理学以外の様々なエピソードを挿入しながら、解説している。
学ぶ力に関連して、60余編のトピックを集録。これらのトピックを親や教師が会得したり、子どもに聞かせることによって、子どもの学ぶ力を育てることをねらいとしている。
教師や保護者に本書を読んでいただき、子どもの学力を育てていただきたい。
―理解し、共感し、育てる―
駒米勝利著 四六判 2310円(税込) ナカニシヤ出版( この本のページ )
子どもたちが引き起こした事件が世間を賑わせる中、大人たちはさまざまな意見をたたかわせています。いわく、子どもと向きあわない親が増えた、子どもをペット化する親の責任、現実と虚構の区別を失った社会の問題、など……。
もちろん、それらはそれぞれある面で正しく、問題の核心をついていることと思います。なるほど、と思える議論も数多くあることでしょう。しかしながら、では具体的に大人たちは何をすればよいのかということになると、途端に抽象的な、雲をつかむような話になってしまう、というのが正直なところではないでしょうか。
本書では危機的な状況にある子どもたちの心の問題について、長年カウンセリングを生業としてきた著者が自らの経験をもとに分かりやすく語ります。著者がまず強調するのは、子どもの心を理解することと共感すること。そこからさまざまな事例をもとに、「育てる」だけではなく子どもが自ら「育つ」ことの大切さが語られます。子どもたちを抱える親御さん、学校の先生方にぜひ読んでもらいたい一冊です。
―子どもの発する声に気づく―
桜井茂男・濱口佳和・向井隆代著 四六判 1995円(税込) 有斐閣
人間は誰でも、産声を上げてから、子ども時代を経て、大人になり、そして老いていきます。その間に様々な人や出来事に遭遇し、多くのことを感じとりながら、変化していく営みを「発達」と呼びます。本書は、「発達」の営みのなかでも変化の激しい「子ども時代」における「子どものこころ」を、三部構成で多角的に探ります。
第一部では、「発達」の営みにおける子ども時代の特色と、現代の子どもを取り巻く状況や環境について理解を進めます。
第二部では、からだと運動、ことば、知性、認知と思考、動機づけ、自己概念とパーソナリティ、人間関係、社会性、性といった多彩なテーマから現代の「子どものこころ」を読み解きます。
第三部では、最近話題になることが多い子どものこころの問題について丁寧に解説して、子どもの「こころの健康」を考えます。
読み進めていくうちに、実は本当に多くのメッセージが子どもから発せられていることに気づくことでしょう。子どもの理解は、そうした声への大人の側の「気づき」から始まるのかもしれません。
―こころと教育の原点から問う!―
A5判 945円(税込) 金子書房( この本のページ )
あの十二歳の犯罪はなぜ起こったのか。少年は罪を償えるのか。加害者の親はどうしたらよいのか。被害者の親の心は癒されるのか。
このような事件の再発を防ぐために、子どもを加害者にも被害者にもしないために、精神医学、教育社会学をはじめ各界第一人者の知を結集した総力特集。子どもの教育に携わる人たちや子育てをする親にとって、必ず役立つ提言を満載。
〔主要内容〕
十二歳の犯罪をどう考えるか
福島 章
〈対談〉子どもが犯罪を起こすとき・巻き込まれるとき
作田 明・森田洋司
〈インタビュー〉事件をきっかけに考える 影山任佐・小西行郎 高安マリ子・葉養正明・東山弘子・藤原智美・町田宗鳳
思春期の子どもと犯罪/学校は責任をどこまで負うか/子どもの安全をどう譲るか/犯罪に巻き込まれた子ども・家族への支援/加害者の家族はどう救われるか/少年法改正の是非をめぐって/少年による重大事件の現状について/他
08.04.21 ラテンアメリカは世界を変える!
08.03.21 お父さんのための「自立」支援講座
08.02.21 受賞図書!
08.01.21 家族って何?
07.12.21 地図と年表―不思議に満ちた世界
07.11.21 お父さんからの本の贈り物
07.10.21 明治―近代日本の出発点
07.09.21 もうひとつの古代ローマ
07.08.21 幽霊・お化け・妖怪の本
07.07.21 新ネットワークが社会を変える!
07.06.21 電車に乗って―書を持って、旅に出よう!
07.05.21 プロになる!
07.04.21 ぼくらの科学 生命 宇宙 数学
07.03.21 文章読本 愛と涙と感動を文字に
07.02.21 『それってどうなの?』
07.01.21 最近わたし疲れてます。
06.12.21 もっと笑いを! 大入り満員 大繁盛
06.11.21 ことばとともに味わう、写真の本。
06.10.21 となりのイスラーム ムスリムのありのままを知る
06.09.21 『1968年』の変革は、今どのような意味をもつのか
06.08.21 ペットと暮らして気づいた人生の意味… ペットと暮らす―愛すべきペットのすべて―
06.07.21 昭和と平成の歴史的結節、そして現在 近代天皇制を問い直す―その来し方・行く末
06.06.21 「下流」とは誰か―日本を蝕む格差社会
06.05.21やったぶんだけ深く楽しめます。何歳からでも遅くない。アート・学問への誘い
06.04.21身体と文化が交差する地点 性(セックス)とは何か 禁忌と好色
06.03.21旅大全―出会いと発見の宝庫
06.02.21“子どもたちの世界”に何が…
06.01.21現代に生きる和のこころ、伝統のわざ
05.12.21もうひとつの自伝・評伝
05.11.21大人のための絵本と童話
05.10.21「老い」をどう生きるか どう支えるか
05.09.21こだわりの食と酒と…
05.08.21動物のことをもっと知りたい
05.07.21東アジアの過去、現在と未来
05.06.21ビジネスの倫理〜会社は誰のものか?
05.05.21頁をめくれば家が建つ 理想の家
05.04.21戦後60年の人・暮らしとその精神
05.03.21躓いたって、叩かれたって、私の人生
05.02.21身近なナショナリズム
05.01.21散歩大全
04.12.21文化系のための科学入門
04.11.21キリスト教文化の謎と魅力
04.10.21環境の過去・現在・未来を考える
04.09.21家族とことばを交わしていますか 子どもも親も、元気になる本
04.08.21未知の帝国アメリカ
04.07.21昭和という時代を知る
04.06.21手から手へ伝承したい〈手仕事〉の世界
04.05.21不思議、おもしろ、驚き! おもしろ事典
04.04.21いま『食』の現在を読む
04.03.21生きる力としての宗教
04.02.21変貌するボランティアと福祉制度
04.01.21仕事と夢とプライドの調和
03.12.21私の世界理解元年
03.11.21絵と図の力――情報と解説の魅力
03.10.21定年前/定年後 定年してからが面白い!
03.09.21環境立国、環境経営ニッポン
03.08.21子供が自分自身を確立するとき こころとからだの「闇」からの脱出
03.07.21テロ、イラク戦争、有事法制…平和への道につなげたい
03.06.21「江戸開府400年」を読む
03.05.21ことばの世界を探る 日本語と時を過ごす…
03.04.21生き生きと生きるために
03.03.21おとなのための総合学習
03.02.21再生の叡智結集!
03.01.21凛とした精神の結晶
02.12.21伝承すべきこと、変わるべきこと
02.11.21素敵なあしたそして夢を
02.10.21web化一周年記念企画 いま、専門書・学術書がおもしろい! その装丁、その独自の世界
02.09.21一度限りの大切な人生
02.08.21傷ついた地球の未来は…
02.07.21もっと知りたい隣の国―韓国
02.06.21歴史に誘われて
02.05.21現実を見極め、錯覚からの脱出
02.04.21知恵と勇気を与える一冊
02.03.21学校が良くなる、教育が変わる
02.02.21新しいアジア像の創造
02.01.21この一冊から始めてみませんか
01.12.21富は日本人を豊かにしたか
01.11.21クリスマスに贈りたい本
01.09.21限りなく愛するとは…最も個人的な心の世界へ
01.08.21ゆっくりと日本を考えよう