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―心ゆさぶられる生き方―
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緒方貞子著 四六判 1680円(税込) 草思社( この本のページ )
なんとすごい日本人が現れたのか。その考え方、行動力、リーダーシップなど、どれをとってもこれまでの日本人の域を越えているのである。
第一部は著者が国連難民高等弁務官に就任して間もない頃の「ジュネーブ忙中日記」だが、これだけを読んでも、著者の仕事ぶりがわかる。今日はアフリカに行くかと思うと、明日はユーゴに飛ぶ。そこで難問に立ち向かい、著者は驚くべき行動力で問題を解決していく。それだけではない。少し時間があいたときはテニスに興じ、フランス語のレッスンに励む。驚嘆すべき活動力である。
著者が高等弁務官としてめざしたのは、一人でも多くの人の命を救うことだった。そのために著者がとった方法は、つねに現場に立つことだった。外交官きどりでジュネーブから外に出ようとしない職員には「こういう姿勢はたたき直そうというのが私の方針です」とまで言っている。
この本にはこうした状況の中での著者の考え方、ものの見方が生き生きと描かれている。感動を呼ぶ一冊である。
―九人の女性をとおして読む―
丹下 和彦著 A5判 2100円(税込) 東海大学出版会( この本のページ )
2400年以上も昔に上演されたギリシア悲劇に登場する人物は、今を生きるわたしたちと何ら変わるところのない人間であることに気づく。いつの時代でも、いずれの場所にあっても、人間性の善なるものも悪なるものも、喜びとなるものも悲しみとなるものも、女性にこそもっともよく顕れる。九人の女性の人物像をとおしてギリシア悲劇が現代に甦る。
* *
この九人の女性たちの劇中における言辞様態をつぶさに観察することによって、現代のわたしたちの目にも興味ある人物像の精髄を抽出し、併せて劇それぞれの作品として現代に意味あらしめたい、というのがそもそもの意図とするところである。(中略)ギリシア悲劇を日頃読み親しんでいる人間が、昔にも面白い人間がいますよ、つき合ってみると現代のわたしたちとも変わるところがなくて、いろいろと身につまされますよということを、多くの人に知っていただきたい、彼女らのプロフィールを紹介したいというのが、まず正直なところである。(「はじめに」より)
―そして闘いは続く―
野坂昭如著 四六判変型 3308円(税込) 国書刊行会
作家野坂昭如。昭和五年(一九三〇年)生まれ。養父母のもとで神戸大空襲に遭い、養父をなくす。戦後さまざまな職を転々としたのち、「黒眼鏡のプレイボーイ」として登場し、六三年、小説「エロ事師たち」を発表する。以後の活躍は周知のごとし。直木賞を受賞し、武道館を満員にし、「終末教」の教祖として一世を風靡した。短篇を集めた野坂昭如コレクション(全三巻)と長篇・エッセイのリターンズ(全四巻)。ほとんどがこの「全盛期」の果実。その後、角栄打倒を掲げて新潟三区に挑み、米を守るために米作を始め、右も左も蹴っ飛ばしつつ、ブラウン管で朝まで吠え続けた。上滑りの時代にあって、いわば負け続けた日々。ふと気づくと、目の前に終末がある。「殺人こそが他者との究極の対話である」と『てろてろ』の若者たちに言わしめた作家に、ようやく時代が追いついた。ただし最悪の形で。町田康、川上弘美、堀江敏幸、高橋源一郎……多くの作家が魅了された野坂ワールドに触れること、それは、解答のない世界と対峙することである。今読むべきは野坂のみ。
―『ほんたうの自分の句』を求めての苦闘の足跡―
村上護責任編集 A5判 7560円(税込) 春陽堂書店( この本のページ )
「鉄鉢の中へも霰」「分け入つても分け入つても青い山」などの句で知られる自由律俳人種田山頭火は、放浪の俳人と呼ばれる。
素封家の長男に生まれ、後の破産、出家。家族を捨て、全国を漂泊の途上、一万余の句を詠んだ。法衣をまとい乞食(こじつき)をしながらの放浪というドラマ性から、その境遇に言及されることの多い山頭火だが、その人生は「ほんたうの自分の句」を求めて、困窮の中で句作を続けた情熱と執念の人生でもあった。
山頭火の生涯は、様々な国文学運動が勃発した明治後期から、大正を経て、日本が戦争へ傾いていく昭和初期と重なる。山頭火の全句を編年体で収録、出典を明記することにより、文学史、時代背景との関係も捉えやすくした。
本書は、山頭火の全句を初出にあたりなおし、編年体で配列した決定版全句集。山頭火鑑賞、研究に必携。
索引・解説・放浪の足跡をたどる日付入地図・年譜等の資料をふんだんに添え、これ一冊で山頭火の俳句人生を通観できる内容となっている。
―アイヌの言葉はアイヌ民族の心―
萱野 茂著 A5判 10,500円(税込) 三省堂( この本のページ )
アイヌの言葉はアイヌ民族の心であって民族の存在の証である。その言葉が消え去ることなく継承・発展してほしい。それが、アイヌである私をしてこの辞書を執筆させた最大の理由である。(「初版のためのはしがきより」)
平成8年7月初版を出版、刷りを重ねる事数回、1万部を超えたとか。初版で約束してあったが辞典は足し算と言う通りに、今回約600語を足す事ができた。(中略)
今まで私が、各社から出版し市販されたアイヌ関係の本が50数冊、金成まつ筆録・萱野茂訳注のユカラ集は24冊目が出て、いつの間にか80冊以上の本を書かせてもらった。少年時代、山仕事の樵時代、本を書くのは大学を出た偉い人だけが書くもの、書けるものと考えていたが、学歴のない私が書いたもの、特に『萱野茂のアイヌ語辞典』が版を重ね嬉しい限りである。
アイヌ民族としてアイヌ冥利であり今後も研讃をと思いつつ、改めて考えるのは言葉を手渡してくれた先祖たちの事である。(「増補版のためのはしがき」より)
―在野の鋸研究者―目立て屋金次の生涯―
吉川金次著 B6判 各1529円(税込) 農山漁村文化協会
刀剣の歴史は権力者の歴史だ。自分は働く声なき民の歴史として鋸を研究する――自身鋸職人として生涯を庶民の目線で生き、働き、研究した吉川金次氏。『鋸』『斧・鑿・鉋』(法政大学出版局)などの著書を遺した氏の自伝である。
大正元年、栃木県氏家町の鋸鍛冶の家に生まれる。青年期には家業を疎んじもしたが「不器用だが正確」な仕事ぶりで鋸目立てが生涯の仕事となる。社会主義への傾倒も経験したが、終始一貫して職人としての仕事と家庭生活をおろそかにすることはなかった。
中塚一碧楼の下で自由律俳句を詠み、野村万蔵の下で彫面修業に研鑽を積む。典雅を求めてのことではない。吉川流の野太い句作は同人の中でも異彩を放った。
鋸研究も、つましい収入の中から経費を捻出して出土品や絵画資料を見ては実際に古代鋸を模造して使ってみる。それで先人の苦労や知恵や暮らしを読み取るのである。
圧倒的に真摯で頑固で努力の人生は、しかし同時に懐かしく、あたたかい。大正から昭和にかけての日本人が誠実に生きてこの国をつくってきた歴史の証言である。
―声をあげ続けた人―
小倉英敬著 四六判 2940円(税込) 日本経済評論社
現在、アメリカ中心のグローバリゼーションのなか、その流れに反する意見を言い行動するのは、勇気を要することと思う。そうした意味で、あの時代に東京の片隅から声をあげ続けた橋本義夫の生き方に学ぶことは多いはずだ。
橋本義夫は一九二〇年代に八王子で農村青年教育運動に携わり、その後市民の教育文化の向上という新たな目的のもと、書店「揺籃社」を開いた。当時この書店は八王子のみならず、周辺地域で有数の文化的拠点であり、知的交流の空間だった。ここでさまざまな人が出会うのである。だが時代は軍国主義の道を歩んでいく。橋本はすでに四二年には敗戦を予感し、実現には至らなかったが東条総理への直訴を企てる。そして、敗戦思想を有すると治安維持法違反で拘束されてしまった。
戦後、マスコミ等に「黙殺されている」市井の人による「ふだん記」運動を始めたことで注目を集めた橋本だが、それまでにはこのような過程があった。決して周囲の人々の理解を得られたわけではなく、もがきながらも、うめき続けざるを得なかったのである。
08.04.21 ラテンアメリカは世界を変える!
08.03.21 お父さんのための「自立」支援講座
08.02.21 受賞図書!
08.01.21 家族って何?
07.12.21 地図と年表―不思議に満ちた世界
07.11.21 お父さんからの本の贈り物
07.10.21 明治―近代日本の出発点
07.09.21 もうひとつの古代ローマ
07.08.21 幽霊・お化け・妖怪の本
07.07.21 新ネットワークが社会を変える!
07.06.21 電車に乗って―書を持って、旅に出よう!
07.05.21 プロになる!
07.04.21 ぼくらの科学 生命 宇宙 数学
07.03.21 文章読本 愛と涙と感動を文字に
07.02.21 『それってどうなの?』
07.01.21 最近わたし疲れてます。
06.12.21 もっと笑いを! 大入り満員 大繁盛
06.11.21 ことばとともに味わう、写真の本。
06.10.21 となりのイスラーム ムスリムのありのままを知る
06.09.21 『1968年』の変革は、今どのような意味をもつのか
06.08.21 ペットと暮らして気づいた人生の意味… ペットと暮らす―愛すべきペットのすべて―
06.07.21 昭和と平成の歴史的結節、そして現在 近代天皇制を問い直す―その来し方・行く末
06.06.21 「下流」とは誰か―日本を蝕む格差社会
06.05.21やったぶんだけ深く楽しめます。何歳からでも遅くない。アート・学問への誘い
06.04.21身体と文化が交差する地点 性(セックス)とは何か 禁忌と好色
06.03.21旅大全―出会いと発見の宝庫
06.02.21“子どもたちの世界”に何が…
06.01.21現代に生きる和のこころ、伝統のわざ
05.12.21もうひとつの自伝・評伝
05.11.21大人のための絵本と童話
05.10.21「老い」をどう生きるか どう支えるか
05.09.21こだわりの食と酒と…
05.08.21動物のことをもっと知りたい
05.07.21東アジアの過去、現在と未来
05.06.21ビジネスの倫理〜会社は誰のものか?
05.05.21頁をめくれば家が建つ 理想の家
05.04.21戦後60年の人・暮らしとその精神
05.03.21躓いたって、叩かれたって、私の人生
05.02.21身近なナショナリズム
05.01.21散歩大全
04.12.21文化系のための科学入門
04.11.21キリスト教文化の謎と魅力
04.10.21環境の過去・現在・未来を考える
04.09.21家族とことばを交わしていますか 子どもも親も、元気になる本
04.08.21未知の帝国アメリカ
04.07.21昭和という時代を知る
04.06.21手から手へ伝承したい〈手仕事〉の世界
04.05.21不思議、おもしろ、驚き! おもしろ事典
04.04.21いま『食』の現在を読む
04.03.21生きる力としての宗教
04.02.21変貌するボランティアと福祉制度
04.01.21仕事と夢とプライドの調和
03.12.21私の世界理解元年
03.11.21絵と図の力――情報と解説の魅力
03.10.21定年前/定年後 定年してからが面白い!
03.09.21環境立国、環境経営ニッポン
03.08.21子供が自分自身を確立するとき こころとからだの「闇」からの脱出
03.07.21テロ、イラク戦争、有事法制…平和への道につなげたい
03.06.21「江戸開府400年」を読む
03.05.21ことばの世界を探る 日本語と時を過ごす…
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03.03.21おとなのための総合学習
03.02.21再生の叡智結集!
03.01.21凛とした精神の結晶
02.12.21伝承すべきこと、変わるべきこと
02.11.21素敵なあしたそして夢を
02.10.21web化一周年記念企画 いま、専門書・学術書がおもしろい! その装丁、その独自の世界
02.09.21一度限りの大切な人生
02.08.21傷ついた地球の未来は…
02.07.21もっと知りたい隣の国―韓国
02.06.21歴史に誘われて
02.05.21現実を見極め、錯覚からの脱出
02.04.21知恵と勇気を与える一冊
02.03.21学校が良くなる、教育が変わる
02.02.21新しいアジア像の創造
02.01.21この一冊から始めてみませんか
01.12.21富は日本人を豊かにしたか
01.11.21クリスマスに贈りたい本
01.09.21限りなく愛するとは…最も個人的な心の世界へ
01.08.21ゆっくりと日本を考えよう