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―最後の職業鷹匠が語る技と心―
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花見薫(諏訪流第十六代鷹師)著 四六判 1680円(税込) 草思社
鷹狩りは千六百年の伝統をもつが、その技は江戸時代に粋を究め、明治以降は宮内省が古技保存に乗り出した。本書は、戦前から戦後の五十余年を鷹一筋に生きた宮内省鷹匠の半生記である。
著者は大正十三年、浜離宮詰めの鷹匠補となり徳川家直参の諏訪流を修めた。電気もない浜離宮での修業時代、軍人相手の接待鴨猟の様子など、知られざる御猟場での日々がいきいきと語られる。
具体的に鷹を扱う技と心構えを語る箇所も実に魅力的だ。馴らし仕込むといっても、鷹は生来、命令して言うことをきく生き物ではない。人馴れしすぎてもいけない。鷹の個性をいかに見抜き、活かすか――日本独特の技の真髄を語る言葉は実に奥深い。
開戦の日も御猟場で過ごしたという著者に、戦争の影が迫る。満州からの鷹の献上も接待猟も中止。戦後、皇室は残ったが、御猟場も鷹狩りの伝統もしだいに形骸化し、衰微の一途をたどる。それを淡々と語る言葉に、技を究めた職人の無念がにじみ出る。著者は平成十四年七月、惜しくも亡くなったが実に貴重な記録を遺した。
―身近にある本物の宝―
井上雅夫著 四六判 1500円(税込) 日本教文社
生活が豊かになり、より便利で快適なものが求められる時代の中にあって、古くからの伝統文化があっさりと捨て去られ、新しいものへと置き換えられている。「かつてなかったような現象や問題がいま現れてきているのも、根本的な原因は、私たちが『日本の心』を見失っていることにあるのではないだろうか」と著者は言う。
本書は、日本に古くから伝わる風習や文化をとりあげ、外国との比較を交えて紹介。日本特有の風土や気候に培われてきた独得の自然観や世界観、理にかなった生活の知恵など、ふだんあまり意識していなかった身近な事柄をもう一度見つめ直し、その美しさや優れた知恵を再認識させてくれる。
昔は祖父母から孫までが、ひとつ屋根の下で暮らしていた。核家族化がすすみ、これまで自然に受けつがれてきた生活の知恵や伝統も、いまや親の世代ですら危うくなっているのが現状だ。しかしたとえば、わたしたちはごく自然にお正月を「めでたい」と感じ、しめ縄や鏡餅を飾る。特別に楽しみ、祝い寿ぐ。この「心」を次代に引きついでもらうための一書。
―希有な対話の記録―
鶴見俊輔著 四六判 2100円(税込) 潮出版社
人生の節目、区切り目、そして濃い影 孜々として生きてきた人たちがいた。
読者は、会うことのできない人たちと会い、聞くことのできない語る言葉に耳をかたむける。
安田 武/谷川 雁/武谷三男/長井勝一/秋山 清/加太こうじ/葦津珍彦/富士正晴/金達寿/黒田三郎/浜口隆一/柴田道子/吉田 満/本多秋五/奈良本辰也/羽仁五郎/小泉文夫/須田剋太/O・ホームズ/G・スナイダー/R・ドーア/金芝河/林 竹二
* *
八十歳になった。
はじまりには、眼中の人は、母だけだった。その母は、今も私の中にのこっている。おそろしい人だったが、八十年たつと、おそろしくはない。その人に向かって話しかける。(中略)
他人を見るときの見方も、この人は国民の中にいて自分一人の道を歩く人かどうかという尺度によっている。陣営にかかわらず、そういう人と私の思う人をえらんだ。この本をそれぞれの人とのめぐりあいにささげる。(「あとがき」より抜粋)
―111霊場を紹介!!―
工藤寛正・みわ明著 四六判 1470円(税込) 東京堂出版
人間は誰でも禍福を思って悩み、福運を求めて人生を彷徨する。それ故に神仏への信仰が生まれるのである。「福運」と一言で片づけられないのは、人はそれぞれの願望が一様でないからである。
すなわち家内安全・商売繁昌・縁結び・出産・成長・学業成就など、願望にはいろいろある。七福神信仰も、こうした人の願望から発露したものであろう。
昔から昨年の不幸は流してしまい、今年は幸せであることを願って、正月の松の内に七福神詣でが、盛んに行なわれてきたのである。
しかし、明治期以降は、戦争などの世相も手伝って、七福神信仰も衰退していったが、最近になってハイキング感覚で七福神めぐりを楽しむ人が多くなった。それと同時に、村興しや町興しの一環として、全国各地に七福神霊場が新しくつくられ、ふたたび脚光を浴びるようになった。正月の七ヵ日(場所によっては一月中)間、各霊場では家族連れやバスツアーの参拝客が、御朱印や七福神グッズを求め巡拝する姿が増えている。(「七福神の由来と七福神信仰の今昔」より抜粋)
―秘められた民間陰陽師の世界―
斎藤英喜著 A5判 3780円(税込) 法藏館
四国高知県の深い山々に囲まれた物部村に伝わる民間信仰「いざなぎ流」。山々に棲む魔物や神を相手に祈祷し祭儀を執り行う、太夫(たゆう)と呼ばれる宗教実践者は、民間陰陽師の末裔とも言われ、昨今の安倍晴明をはじめとする陰陽道ブームのなかで、注目を集めて久しい。
いざなぎ流は、さまざまな祭文(さいもん)を誦み上げ祈祷する「中世神楽」の流れを汲む。また同時に、陰陽道や修験道、神道などと複雑に絡み合い、独自の展開を遂げた。太夫ごとにさまざまなバリエーションをもつ祭文は、その信仰世界の中核をなすという。
釈迦と提婆の家督争いは呪いの起源となり、山の神と龍宮乙姫の結婚から疫神が誕生した……。そんな不思議に満ちた祭文を、著者は太夫の儀礼実践に即して解読し、そこから神と渡り合うコトバと力の相貌を鮮やかに描き出している。
本書は、現代に生きる民間陰陽師・太夫の、秘められた呪術・祈祷世界の核心に初めて迫る、待望の書といえよう。
―すべてに感謝する時―
浅田茂美著 四六判 1680円(税込) 佼成出版社
同僚の「なぜ?」の声を背に、大きな意志に抱かれて、朝日新聞記者が出家した。
東京本社の学芸部員として「こころ」のページを担当して仏教に出合って二年余り、大きな穴に落ち込んだ。「仏教を本格的に勉強し、信仰を身につけたい。そうしないといくら書いても訴える力のある記事にならないと思う」。そんな思いで二十六年の記者生活にピリオドを打った。
東京国際仏教塾での勉強、在家仏教者として臨んだ専門僧堂大乗寺での参禅修行、得度し僧侶となり「年齢五十三歳。法齢一歳。どうぞよろしゅう」のあいさつで始まった本格的な修行、そして僧侶として生きる今日を、半生と絡めながら軽妙な筆致で綴った。
仏教とはどんな宗教なのか、世界や宇宙に広がる現代文明とのかかわりのなかでどんな意義をもつのか、身近な社会のなかでどう実践され、どんな修行をしているのか。そんな個々の姿を有機的総合的に紹介もしている。
「すべてのものに感謝できるようになったとき地球は救われる」と筆者は筆を置いている。
―渾身の新研究―
上田賢治著 A5判 3150円(税込) 大明堂
主として応用神学もしくは実践神学に関心を注いできて、神社神道の神学が、如何に未成熟、かつ惰弱な状況にあるのかを痛感したゆえに「自己の生涯を懸けた課題として神道神学について、書くべき体系的な著作を残して置かなければならないという思いが、今の自己に与えられ、為さねばならぬ仕事の方向を指し示して居るのだと気付き、新しい年の初めに、この想いが筆者をワード・プロセッサーの前に座らせたのである。」
(後書より)と語らせる。
神道神学に関しては、その出発点におかれるべき神道古典、『古事記』と『日本書紀』とを対象として展開される、神道信仰の組織神学を目指した新研究。
おもな目次、以下の通り。
序説 天地開闢と神明の顕現
岐・美二神・國産み 神生み伝承
黄泉國訪問伝承 禊祓と三貴子誕生 三貴子事依と宇氣比 須佐之男神勝佐備と神夜良比 須佐之男神天下りと遠呂知退治 出雲神話への展開 大國主神伝承 古事記歌謡と大國主信仰 天孫降臨の前駆 國譲り伝承 天孫の降臨 天皇観の発現 海幸・山幸伝承
―伝えたいことは「聞く」「読む」「思い描く」ことです―
三遊亭圓窓著 B6判 1000円(税込) 明治書院
学校の教師を採用するとき、「読み書き」の試験はするだろうが、「話す・聞く」の試験が皆無なのは、本当に不思議なことです。
人間は誰しも、読むことよりも書くことよりも、また、話すことよりも先に聞くことをしているんです。
赤ちゃんが母の胎内で最初にキャッチする情報は、母体を通しての母の声を聞くことによって得ていたに違いありません。ところが、今はオギャーと誕生すると、テレビ・パソコン・ゲームなどの見るものに囲まれて育つことになります。
すでに描かれているものばかり見ていると、自分自身の力で思い描くことができなくなってしまう。現に、人の話を聞いてもその意味を頭の中に思い描けない、だから話そのものを聞けない日本人がどんどん増えてきていますよね。
このままだといずれ日本は滅亡する、あたしは本気でそう思っています。
『というわけで、この本は「聞く」つもりで読んでください〈まえがきより〉』。
―次代に引き継ぐ味と技―
農文協編 奥村彪生解説 A5判 各巻2500円(税込) 農山漁村文化協会
人はだれもふるさとをもっている。そこで食べるふだんの食事、盆、正月、祭りの食事は、それぞれが歴史と伝統を受け継いだふるさとの味である。ふるさとの味はその土地土地、家々で「家庭料理」として伝えられてきた。
本全集は、その多様なふるさとの味を、全国三五〇余地点で、昭和初期に家庭の「おさんどん」を担った方々から聞き書きし、その料理を再現したものである。それらを、すし、もち、そば・うどん、鍋ものといった料理別と、朝ごはん、お弁当、正月料理といったテーマ別に編成している。
例えば第五巻『もち 雑煮』には搗きたてもち、凍みもち、雑煮などにグループ分けされた全国180余種のもち料理の数々が収録されていて壮観だ。雑煮ではもちの種類も汁の仕立て方も実に多様。だしも昆布やかつお節のほか、山鳥やはぜ、あご(とびうお)、ふぐ等々もあり、それぞれが風土を背負った伝統の味である。
日本列島に伝承されてきたふるさとの味は本書によって記録され、次代へと伝えられていく。
08.04.21 ラテンアメリカは世界を変える!
08.03.21 お父さんのための「自立」支援講座
08.02.21 受賞図書!
08.01.21 家族って何?
07.12.21 地図と年表―不思議に満ちた世界
07.11.21 お父さんからの本の贈り物
07.10.21 明治―近代日本の出発点
07.09.21 もうひとつの古代ローマ
07.08.21 幽霊・お化け・妖怪の本
07.07.21 新ネットワークが社会を変える!
07.06.21 電車に乗って―書を持って、旅に出よう!
07.05.21 プロになる!
07.04.21 ぼくらの科学 生命 宇宙 数学
07.03.21 文章読本 愛と涙と感動を文字に
07.02.21 『それってどうなの?』
07.01.21 最近わたし疲れてます。
06.12.21 もっと笑いを! 大入り満員 大繁盛
06.11.21 ことばとともに味わう、写真の本。
06.10.21 となりのイスラーム ムスリムのありのままを知る
06.09.21 『1968年』の変革は、今どのような意味をもつのか
06.08.21 ペットと暮らして気づいた人生の意味… ペットと暮らす―愛すべきペットのすべて―
06.07.21 昭和と平成の歴史的結節、そして現在 近代天皇制を問い直す―その来し方・行く末
06.06.21 「下流」とは誰か―日本を蝕む格差社会
06.05.21やったぶんだけ深く楽しめます。何歳からでも遅くない。アート・学問への誘い
06.04.21身体と文化が交差する地点 性(セックス)とは何か 禁忌と好色
06.03.21旅大全―出会いと発見の宝庫
06.02.21“子どもたちの世界”に何が…
06.01.21現代に生きる和のこころ、伝統のわざ
05.12.21もうひとつの自伝・評伝
05.11.21大人のための絵本と童話
05.10.21「老い」をどう生きるか どう支えるか
05.09.21こだわりの食と酒と…
05.08.21動物のことをもっと知りたい
05.07.21東アジアの過去、現在と未来
05.06.21ビジネスの倫理〜会社は誰のものか?
05.05.21頁をめくれば家が建つ 理想の家
05.04.21戦後60年の人・暮らしとその精神
05.03.21躓いたって、叩かれたって、私の人生
05.02.21身近なナショナリズム
05.01.21散歩大全
04.12.21文化系のための科学入門
04.11.21キリスト教文化の謎と魅力
04.10.21環境の過去・現在・未来を考える
04.09.21家族とことばを交わしていますか 子どもも親も、元気になる本
04.08.21未知の帝国アメリカ
04.07.21昭和という時代を知る
04.06.21手から手へ伝承したい〈手仕事〉の世界
04.05.21不思議、おもしろ、驚き! おもしろ事典
04.04.21いま『食』の現在を読む
04.03.21生きる力としての宗教
04.02.21変貌するボランティアと福祉制度
04.01.21仕事と夢とプライドの調和
03.12.21私の世界理解元年
03.11.21絵と図の力――情報と解説の魅力
03.10.21定年前/定年後 定年してからが面白い!
03.09.21環境立国、環境経営ニッポン
03.08.21子供が自分自身を確立するとき こころとからだの「闇」からの脱出
03.07.21テロ、イラク戦争、有事法制…平和への道につなげたい
03.06.21「江戸開府400年」を読む
03.05.21ことばの世界を探る 日本語と時を過ごす…
03.04.21生き生きと生きるために
03.03.21おとなのための総合学習
03.02.21再生の叡智結集!
03.01.21凛とした精神の結晶
02.12.21伝承すべきこと、変わるべきこと
02.11.21素敵なあしたそして夢を
02.10.21web化一周年記念企画 いま、専門書・学術書がおもしろい! その装丁、その独自の世界
02.09.21一度限りの大切な人生
02.08.21傷ついた地球の未来は…
02.07.21もっと知りたい隣の国―韓国
02.06.21歴史に誘われて
02.05.21現実を見極め、錯覚からの脱出
02.04.21知恵と勇気を与える一冊
02.03.21学校が良くなる、教育が変わる
02.02.21新しいアジア像の創造
02.01.21この一冊から始めてみませんか
01.12.21富は日本人を豊かにしたか
01.11.21クリスマスに贈りたい本
01.09.21限りなく愛するとは…最も個人的な心の世界へ
01.08.21ゆっくりと日本を考えよう