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―新世代が公平に描いた日韓の歴史―
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金完燮(キム・ワンソプ)著 荒木和博+荒木信子訳 四六判 1575円(税込) 草思社( この本のページ )
W杯共催は日韓の相互理解を深めるための好機だったが、両国のあいだにはいまだ歴史認識に関して深い溝があり、ときに外交問題にまで発展する。こうした事態は韓国の孤立化を招くだけとみる新世代の作家金完燮氏が、19世紀末以降の日韓の歴史をきわめて公平な視点で検証したものである。
金氏はイギリスのインド統治と比較し、李王朝末期の腐敗して抑圧的な旧体制の清算と朝鮮社会の近代化に果たした日本の役割を高く評価、百年前の日本と韓国はまさに共存共栄の関係にあったことを明らかにしている。金氏はまたこれらの史実を隠蔽してきた韓国の歴史教育のあり方を批判して、真の友好は歴史の歪曲を正すことから始まると述べている。
近現代史をめぐって双方にわだかまる閉塞的な言論空間に風穴をあける革命的というべき評論集であるが、残念なことに韓国語版は発売後まもなく「青少年有害図書」に指定され、事実上書店での販売ができなくなった。のみならず金氏には現在「出国停止」の措置がとられている。
―「近くて遠い国」の民族意識―
木村 幹著 A5判 5250円(税込) ミネルヴァ書房
近代化や抗日運動といった、「ナショナリズムの運動」が、大国の抑圧と自らの力不足により繰り返し挫折することとなった朝鮮/韓国――。人々はその挫折の度毎に朝貢時代から受け継がれた、自らの「小国意識」と真正面から向き合うことを余議なくさせられた。
このような繰り返し確認される小国意識は、朝鮮/韓国の近代化に水をさすこととなった。それのみならず、この再確認における人々の自らのネーションへの強い失望感は、彼らをして現状に甘んじるよりは、たとえ日本の主導下であっても「改革」が行われ、あるいは自らが重要と考える何かしらが守られるのであれば、何もしないよりは少しはましである、という親日派への転落の間隙へと人々を誘うことになったのである。
そのような状況のなかで、朝鮮/韓国ナショナリズムはどのように形成されてきたのか。
本書は「近代」と「小国意識」をキーワードに朝鮮/韓国ナショナリズムの独特の論理と形成過程を解明するとともに、韓国近代化に与えた影響を考察する。
―テーマ別基礎知識読本―
梅田博之監修/松原孝俊編 A5判 2520円(税込) 東方書店( この本のページ )
外国語学習にはその国の文化を理解することが不可欠である。本書は、私たち日本人にとって大切な隣人のことばである韓国語を、社会的・文化的バックグラウンドの理解に基づいて学習し、韓国を正しく理解するための基礎知識読本。
韓国語のあらましから、歴史、文学作品の紹介、生活習慣、社会など内容は多岐にわたる。執筆を分担した各分野のエキスパートが両立させた高い水準と平易な叙述により、韓国語学習者の補助教材として、また韓国文化の入門書として最適の1冊。
【本書の構成】
〈言語〉/〈風土〉/〈歴史〉古代、高麗、朝鮮王朝、文禄・慶長の役、日朝関係史、近代/〈文学〉古典文学、近現代文学/〈文化〉仮面劇、近現代演劇、宗教、風水、儒教、建築、食文化/〈生活〉伝統生活、キャンパスライフ/〈社会〉政治、経済、法律、在日コリアン人/〈付録〉韓国・朝鮮を知るための本、日本語で読める韓国・朝鮮の近現代文学、ビデオで見られるお薦めの韓国映画
―初めての体系的思想入門書―
川村 湊編 A5変型判 2100円(税込) 作品社( この本のページ )
本書序文で編者・川村湊氏が指摘する通り、日本にとって韓国は、外交上の「問題」であり、五輪やW杯などの大きなスポーツイベント時における「一過性のブーム」であり、グルメ、エステ、ショッピングなどを目的としたツアーの対象であり続けた。だが、隣同士に住む人々に、生活する上の思想やイデオロギーがないはずがなく、それを読む努力のないところに、互いの理解の深まりがあろうはずがないのである。
本書は、儒教、仏教、道教、実学、東学などの伝統思想から、ポストコロニアリズムや南北統一の思想、新たな在日朝鮮人論などの現代思想まで、「韓国の思想」を余すところなく網羅した、初めての体系的思想入門書。
また、気鋭の論者、古田博司氏、小倉紀藏氏と編者との座談会、文芸評論家・翻訳家の安宇植氏と編者との対談や、韓国の歴史・思想・現在についてより深く知るための30冊のブックガイド、韓国を学ぶ上で欠かすことのできないキーワード&キーパーソン紹介などを収録し、きわめて充実した内容の1冊である。
―韓国史を知るための「読む」事典―
韓国史事典編纂会・金容権/編著 菊判 15,750円(税込) 日本評論社( この本のページ )
今回のW杯で「遠い国」韓国は随分近い存在になったものの、「普通の」国の関係を形成するためには、韓国・朝鮮の歴史を正確に知る必要があるのだが、良い通史がなかった。その欠を埋めるべく刊行されたのが本書である。
扱っている時期は、李朝末期の1860年から、歴史的な南北首脳会談の翌年2001年までの、文字どおり激動の1世紀半である。取り上げた項目は1400余り、政治経済のみならず、文化も含まれている。そしてこれが本事典の最大の特色であるが、通史的編年的に6つの章に分けて排列されている。従来の50音順では関連項目がばらばらに並べられることになり、歴史的な関連がつかみにくいという反省から生まれたものである。貴重な写真も百点余り掲載され、調べる事典であるとともに、「読む」事典でもある。朝鮮半島、日本および東アジアの近現代史を理解するうえで必携の書。
書名について一言。韓国=南、朝鮮=北ということではない。詳しくは本書を参照して頂きたい。こうした断わりを書かなくてすむ時代の到来を願ってやまない。
―パソコン用ディスプレイに見る競争と協調―
齋藤壽彦・劉進慶編著 A5判 3465円(税込) 日本経済評論社
本書は、近年におけるアセアンを舞台とした、日本・韓国・台湾の直接投資における競争と協調の関係をパソコン用ディスプレイを中心に解明することが課題である。3国の電子産業や対アセアン投資の動向を現地の諸機関・団体・企業への訪問インタビューを重ね、双方の経済(金融)産業の関係を明らかにしている。
主要論点は、(1)パソコン用ディスプレイ生産には棲み分けがあり、(2)棲み分けは固定的ではなく、(3)技術向上力や低価格化による韓台の参入、(4)日本企業の韓台企業への生産委託、(5)日台企業の部品生産における垂直的分業、(6)アセアンのなかで電子産業の最も発達しているのはマレーシア、等の分析が詳細に行なわれている。
将来における日韓台・アセアンの関係を考えたとき、ひとりパソコン用ディスプレイ産業のみの分析ではなく、自動車産業などにも見られる、と本書は主張する。ことに産業の国際関係――ネットワーク――に関する研究は、日本の産業政策、経済戦略を考察・実行するうえで重要な示唆を与えるものと結論づけている。
―日韓食文化の出会いとすれ違い―
朝倉敏夫著 B6判 1950円(税込) 農山漁村文化協会
唐辛子で真っ赤なフグ鍋、ビビンパプのように多種の具をスプーンで混ぜて食べる刺身丼。韓国における日本料理は、かなりコリアナイズされたものだという。
しかし、日本の韓国料理も相当にジャパナイズされており、焼肉(プルコギ)は本来はジンギスカン鍋のようなもので肉を焼き、肉汁にスープを注いで食べるものだ。
日本の韓国料理は、ヤミ市のイメージを引きずるホルモン焼きの時代から、無煙ロースターによる大衆化の段階を経て、エスニックブームにのった高級化・ファッション化と家庭料理としての定着の途をたどってきた。在日韓国・朝鮮人が果たした役割も大きい。
一方、韓国の日本料理は「倭食」と呼ばれて伸び悩んだ時代から、日食・日式と呼ばれ浸透していく中で「韓国人のための日本料理」へと変身していった。
お互いに「近くて遠い国」の時代を経てそれぞれに“ナイズ”された日韓の食文化が新たな出会いをつくる。意外な話が満載で楽しく読みながら、相互理解の出発点ともなる本。
―たずねられても困らない役に立つ1冊―
増田忠幸・柴田郁夫・李致雨・李和靜共著 四六判 2100円(税込) 三修社( この本のページ )
日本の気候風土、生活習慣、社会一般にいたるまで、韓国人が知りたがる日本のことがらを100項目あつめて、日本語と韓国語両方で記述した、本当の日韓交流に役立つ内容です。
タクシーの料金、バスの乗り方、水道水、温泉、トイレ、銭湯、冠婚葬祭、居酒屋、割り勘、おせち料理、招き猫は? 選挙制度、健康保険制度、キャッシング、学校制度、受験、お寺、アパートとマンション、フリーター、地酒と地ビール、ボーナス、テレビのチャンネル、日本人特有のジェスチャー、JRってなんですか?
テーマの例を少しあげてみましたが、日本語で答えるだけでもなかなか大変です。日本で生活している韓国人や、短期間の仕事あるいは旅行で来日する韓国人の方からたずねられても答えられるように、日本のことをおさらいしておくのもいいかもしれません。
また韓国の方へのプレゼントとしても喜ばれます。韓国旅行にはぜひ持って行って、韓国で知りあった方に差し上げましょう
―近代日本は朝鮮をどう見たか―
舘野 ル編著 四六判 2100円(税込) 明石書店
教科書問題、政治家の失言……。日韓の歴史認識をめぐるすれ違いや深い対立はなぜ、繰り返し起きるのか。
過去の優越感から離れられない政治家や学者・言論人たちの思想・感情に根深く染み付いている朝鮮蔑視・朝鮮人差別は何に由来するのか。ひるがえって、過去の蔑視感や差別感を克服する朝鮮観を生み出した日本人の転換点はなにか。
西郷隆盛の「征韓論」とは何か。福沢諭吉の「脱亜論」の形勢過程、金沢庄三郎の「日鮮同祖論」の淵源とは。古賀メロディーと朝鮮との関係や梶山季之の朝鮮への「郷愁」とはなにか。弁護士布施辰治の朝鮮人人権擁護のための戦い、金子文子の朝鮮人への共感、梶村秀樹の「内在的発展論」はどのように生まれたか。明治以降の代表的な日本人政治家・学者・著名人の朝鮮観を俯瞰するなかから日本人の朝鮮観の淵源や形勢過程をトータルに探り、是正する道を探る。
日韓ワールドカップ共催の熱気が冷めつつあるいま、隣国を知り、隣人と理解しあい、語りあうための必読書。
08.04.21 ラテンアメリカは世界を変える!
08.03.21 お父さんのための「自立」支援講座
08.02.21 受賞図書!
08.01.21 家族って何?
07.12.21 地図と年表―不思議に満ちた世界
07.11.21 お父さんからの本の贈り物
07.10.21 明治―近代日本の出発点
07.09.21 もうひとつの古代ローマ
07.08.21 幽霊・お化け・妖怪の本
07.07.21 新ネットワークが社会を変える!
07.06.21 電車に乗って―書を持って、旅に出よう!
07.05.21 プロになる!
07.04.21 ぼくらの科学 生命 宇宙 数学
07.03.21 文章読本 愛と涙と感動を文字に
07.02.21 『それってどうなの?』
07.01.21 最近わたし疲れてます。
06.12.21 もっと笑いを! 大入り満員 大繁盛
06.11.21 ことばとともに味わう、写真の本。
06.10.21 となりのイスラーム ムスリムのありのままを知る
06.09.21 『1968年』の変革は、今どのような意味をもつのか
06.08.21 ペットと暮らして気づいた人生の意味… ペットと暮らす―愛すべきペットのすべて―
06.07.21 昭和と平成の歴史的結節、そして現在 近代天皇制を問い直す―その来し方・行く末
06.06.21 「下流」とは誰か―日本を蝕む格差社会
06.05.21やったぶんだけ深く楽しめます。何歳からでも遅くない。アート・学問への誘い
06.04.21身体と文化が交差する地点 性(セックス)とは何か 禁忌と好色
06.03.21旅大全―出会いと発見の宝庫
06.02.21“子どもたちの世界”に何が…
06.01.21現代に生きる和のこころ、伝統のわざ
05.12.21もうひとつの自伝・評伝
05.11.21大人のための絵本と童話
05.10.21「老い」をどう生きるか どう支えるか
05.09.21こだわりの食と酒と…
05.08.21動物のことをもっと知りたい
05.07.21東アジアの過去、現在と未来
05.06.21ビジネスの倫理〜会社は誰のものか?
05.05.21頁をめくれば家が建つ 理想の家
05.04.21戦後60年の人・暮らしとその精神
05.03.21躓いたって、叩かれたって、私の人生
05.02.21身近なナショナリズム
05.01.21散歩大全
04.12.21文化系のための科学入門
04.11.21キリスト教文化の謎と魅力
04.10.21環境の過去・現在・未来を考える
04.09.21家族とことばを交わしていますか 子どもも親も、元気になる本
04.08.21未知の帝国アメリカ
04.07.21昭和という時代を知る
04.06.21手から手へ伝承したい〈手仕事〉の世界
04.05.21不思議、おもしろ、驚き! おもしろ事典
04.04.21いま『食』の現在を読む
04.03.21生きる力としての宗教
04.02.21変貌するボランティアと福祉制度
04.01.21仕事と夢とプライドの調和
03.12.21私の世界理解元年
03.11.21絵と図の力――情報と解説の魅力
03.10.21定年前/定年後 定年してからが面白い!
03.09.21環境立国、環境経営ニッポン
03.08.21子供が自分自身を確立するとき こころとからだの「闇」からの脱出
03.07.21テロ、イラク戦争、有事法制…平和への道につなげたい
03.06.21「江戸開府400年」を読む
03.05.21ことばの世界を探る 日本語と時を過ごす…
03.04.21生き生きと生きるために
03.03.21おとなのための総合学習
03.02.21再生の叡智結集!
03.01.21凛とした精神の結晶
02.12.21伝承すべきこと、変わるべきこと
02.11.21素敵なあしたそして夢を
02.10.21web化一周年記念企画 いま、専門書・学術書がおもしろい! その装丁、その独自の世界
02.09.21一度限りの大切な人生
02.08.21傷ついた地球の未来は…
02.07.21もっと知りたい隣の国―韓国
02.06.21歴史に誘われて
02.05.21現実を見極め、錯覚からの脱出
02.04.21知恵と勇気を与える一冊
02.03.21学校が良くなる、教育が変わる
02.02.21新しいアジア像の創造
02.01.21この一冊から始めてみませんか
01.12.21富は日本人を豊かにしたか
01.11.21クリスマスに贈りたい本
01.09.21限りなく愛するとは…最も個人的な心の世界へ
01.08.21ゆっくりと日本を考えよう