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―音読すると心と身体に力が漲る―
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齋藤 孝著 四六判 1260円(税込) 草思社
ベストセラーとなった朗誦のための名文名句集である。
「知らざァ言って聞かせやしょう」「祗園精舎の鐘の声」など、歯切れのいい言葉、美しい文章は数多い。以前は暗誦や朗読することが教育の1つだったが、今は軽視されている。しかし、声に出すことは言語感覚を養い、心身を鍛えることにもつながると著者は主張している。この本は現在の国語教育への批判として、忘れられつつある暗誦文化の復活を願って、そのテキストとするべく作られたものである。
名文の定番である「枕草子」「方丈記」「平家物語」から近代詩、「がまの油売り」「落語の寿限無」などの庶民的なものまで、多彩な例文をとりあげ、大きな活字に総ルビで掲げている。一読再読、引き込まれて、思わず声に出して読んでしまったと多くの読者から感想が来た。
昨今、英語第二公用語論などが取り沙汰されて、すっかり日本語の持つ魅力は忘れられかけているが、この本はそうした風潮へ一石を投じたものとも言えるだろう。著者は『身体感覚を取り戻す』で新潮学芸賞を得た俊英。
「春はあけぼの」「まだあげ初めし前髪の」……この決定版テキストによってあなたも日本語の魅力に改めて触れてみては如何だろうか。
―心理学で読み解く日本人の「心の歴史」!―
小田 晋著 四六判 1600円(税込) 日本教文社( この本のページ )
神話時代から現代まで編年的に、各時代の節目となった事件や出来事、権力者や英雄などをとりあげ、キーパーソンの心の中で何が起きていたのか、そのとき歴史はどう動いたかを心理学的に分析し、日本人の歴史ドラマを描き出した稀有な書です。
聖徳太子が尊んだ「和」と「勤勉」の精神はその後の日本人の心に生きて現在の繁栄の基盤になった、織田信長の魔王のような活躍とその後の破滅をもたらした心的原因、信長を襲撃した明智光秀の心の葛藤、豊臣家を滅ぼした淀君、気配りとおそれを知る人・家康の英知等々… 歴史は、その時代を生きた人々の「心」と「行動」が創り出したものだということが、明らかにされます。当時の庶民の生活に関わっていた犯罪や食物、演劇のことなども現代的視点からとりあげられています。
歴史が、単なる風化してしまった過去の物語ではなく、いま現代を呼吸している私たちの心の動きと重なるものであることがわかり、面白く、読んでいて飽きません。
行動科学、精神分析学、精神医学の方法を駆使して描いた日本人の「心の歴史」は、他に類書がなく、歴史ファン、心理学に興味のある人は見逃せません。
―日本の経済、どこがおかしいのか?―
水野勝之著< A5判 1680円(税込) 中央経済社( この本のページ )
「わかりやすい日本経済の本」を読んだけれど何だか腑に落ちない。かといって何から手をつけたらよいのかわからない。そういう人にお薦めします。
この本のポイントは、経済用語と経済全体の動きの結びつきを大切にしていることと、経済用語を従来の定義に縛られずに説明していることです。例えば「生産する」は「作る」、「需要と供給」は「買う力と作る力」というような具合です。また、従来のテキストのように膨大な経済の理論をすべて取り上げるのではなく、「なんだかおかしい!」と多くの人が感じるようなことに焦点をあて、そのしくみを説明しています。
政府の政策や対外関係などテーマごとに解説するほか、経済に重要な役割を果たした人物やキーワードなどもコラムで取り上げながら日本経済が抱える問題をひとつひとつ読み解いていきます。国債の発行や特殊法人改革、公共事業など、今まさに永田町で争点となっている問題が、たくさん含まれています。説明や用語はやさしいけれど、独自の観点から経済をとらえた、目からウロコが落ちるような経済論です。
経済ニュースや統計に振りまわされず、それらを読み解く力を養うことが経済を理解するための一番の早道であることが実感できる一冊です。
―現代がかかえる重要課題を剔出―
山村順次編 B5判 3150円(税込) 大明堂
1960年以降の高度成長期を通じて、日本列島の地域変容は、まことに目をみはるものがある。これを端的に示すものの1つに、地図がある。高度成長期以前と、現在に近い時点との、同地域の地図を比較してみると、その変化のはげしさに驚嘆する。
本書は日本列島全体から、61の事例地域をとりあげ、見開き2ページの構成で、それぞれの地域の変容の姿を図と文章で説明する。図は年代を異にする地図の比較、それを裏打ちする関係地図、グラフ、景観写真などが配置され、対応した適切な説明文があって、まさに日本列島の動態地誌ということができる。
全体を15のテーマにわけて、各テーマのはじめには総論として、そのテーマの展望と全体的な分布図、関連図などがある。日本の地形環境、気候環境、自然災害、人口・社会、農業地域、林業地域、水産業地域、鉱業・エネルギー地域、工業地域、都市地域、交通地域、観光レクリエーション地域、環境保全、世界の中の日本、身近な地域と地図、の15である。
地図を見、解説を読むうちに、現代日本のかかえる重要な課題を、興味をもって理解できる。読図に慣れない人は最後の「身近な地域と地図」で練習してから他の部分へ進むのも1法。
―書は文化の証人―
石川九楊著 B6判変型 1050円(税込) 二玄社
日本を考えるとき、最も重要な着眼点が「書」だというのである。
「それは大げさだろう。そもそも書は中国から輸入されたものではないか」という人もいるだろう。しかし、本書を読むと、「書」の、想像を絶するほどの重大な意味を疑えなくなる。
日本人は、日本語で話し、聞き、書き、読み、そして考える。一方、中国においては、さまざまな民族が中国語によって統べられている。しかも、方言にヨーロッパ各国語ほどの隔たりがあるとされる中国の各地方は、「漢字」という文字によって結びついている。
日本も含め、東アジアでは、秦の始皇帝の文字統一以降、「漢字」が文化の根底に横たわる運命になったという。著者は、人類にとっての言葉、殊に「話し言葉」と「書き言葉」への考察から話を起こし、文字の発生、「書く」という行為の意味、と東アジアに特有の文化論を展開していく。
その過程で、東アジアにおける「書く」ということの重大な意味、そして、それを受けて豊富な表現を生み出していく「書」に秘められたおそるべき真相をも取り出してみせる。
「文字」を書いていないのならば何を書いているのか? 歴史は何を書いてきたのか? その答えの背後には「書」がある。そして、歴史も文化も新しい貌(かお)を見せはじめる。
―スローフードな東京―
渡辺善次郎、本橋到他編 A5判 2900円(税込) 農山漁村文化協会( この本のページ )
昭和初期の東京。人口は500万人に達し、ロンドン、ニューヨークに次ぐ世界的な大都市だった。伝統から自由になったモダンガール、モダンボーイが闊歩した国際都市・東京は、しかし一方で、しっかりと風土に根ざしたイナカでもあった。
たとえば日本橋の女学生はあんパンやハムサンドを買い、四谷のサラリーマン宅ではロールキャベツが食卓にのぼる。こうした光景は、同じ時代の農村部では決して見られないものだ。だが、こうした東京市民の食卓を支えていたのは江戸前の魚介類と練馬大根や金町こかぶ、千住ねぎなど近郊の野菜だったし、3度の食事の大部分は味噌汁・漬物・野菜の煮物といった純農村的なものだった。四季の行事も健在で、正月や節句、彼岸には雑煮、ちらしずし、おはぎなどの日本的なハレ食が作られた。
手作りの家庭料理と町内1丸となる行事がしっかりと保たれた東京。振り売りや御用聞きも、マスプロでなく顧客を熟知して地場の食材を届ける頼もしい情報提供者だった。
今よりも少しスローダウンした暮らしを考えるとき、この上なく貴重な庶民の証言である(本書は都道府県別「日本の食生活全集」全50巻の1冊である。ぜひ他県版と併せて読みたい)。
08.04.21 ラテンアメリカは世界を変える!
08.03.21 お父さんのための「自立」支援講座
08.02.21 受賞図書!
08.01.21 家族って何?
07.12.21 地図と年表―不思議に満ちた世界
07.11.21 お父さんからの本の贈り物
07.10.21 明治―近代日本の出発点
07.09.21 もうひとつの古代ローマ
07.08.21 幽霊・お化け・妖怪の本
07.07.21 新ネットワークが社会を変える!
07.06.21 電車に乗って―書を持って、旅に出よう!
07.05.21 プロになる!
07.04.21 ぼくらの科学 生命 宇宙 数学
07.03.21 文章読本 愛と涙と感動を文字に
07.02.21 『それってどうなの?』
07.01.21 最近わたし疲れてます。
06.12.21 もっと笑いを! 大入り満員 大繁盛
06.11.21 ことばとともに味わう、写真の本。
06.10.21 となりのイスラーム ムスリムのありのままを知る
06.09.21 『1968年』の変革は、今どのような意味をもつのか
06.08.21 ペットと暮らして気づいた人生の意味… ペットと暮らす―愛すべきペットのすべて―
06.07.21 昭和と平成の歴史的結節、そして現在 近代天皇制を問い直す―その来し方・行く末
06.06.21 「下流」とは誰か―日本を蝕む格差社会
06.05.21やったぶんだけ深く楽しめます。何歳からでも遅くない。アート・学問への誘い
06.04.21身体と文化が交差する地点 性(セックス)とは何か 禁忌と好色
06.03.21旅大全―出会いと発見の宝庫
06.02.21“子どもたちの世界”に何が…
06.01.21現代に生きる和のこころ、伝統のわざ
05.12.21もうひとつの自伝・評伝
05.11.21大人のための絵本と童話
05.10.21「老い」をどう生きるか どう支えるか
05.09.21こだわりの食と酒と…
05.08.21動物のことをもっと知りたい
05.07.21東アジアの過去、現在と未来
05.06.21ビジネスの倫理〜会社は誰のものか?
05.05.21頁をめくれば家が建つ 理想の家
05.04.21戦後60年の人・暮らしとその精神
05.03.21躓いたって、叩かれたって、私の人生
05.02.21身近なナショナリズム
05.01.21散歩大全
04.12.21文化系のための科学入門
04.11.21キリスト教文化の謎と魅力
04.10.21環境の過去・現在・未来を考える
04.09.21家族とことばを交わしていますか 子どもも親も、元気になる本
04.08.21未知の帝国アメリカ
04.07.21昭和という時代を知る
04.06.21手から手へ伝承したい〈手仕事〉の世界
04.05.21不思議、おもしろ、驚き! おもしろ事典
04.04.21いま『食』の現在を読む
04.03.21生きる力としての宗教
04.02.21変貌するボランティアと福祉制度
04.01.21仕事と夢とプライドの調和
03.12.21私の世界理解元年
03.11.21絵と図の力――情報と解説の魅力
03.10.21定年前/定年後 定年してからが面白い!
03.09.21環境立国、環境経営ニッポン
03.08.21子供が自分自身を確立するとき こころとからだの「闇」からの脱出
03.07.21テロ、イラク戦争、有事法制…平和への道につなげたい
03.06.21「江戸開府400年」を読む
03.05.21ことばの世界を探る 日本語と時を過ごす…
03.04.21生き生きと生きるために
03.03.21おとなのための総合学習
03.02.21再生の叡智結集!
03.01.21凛とした精神の結晶
02.12.21伝承すべきこと、変わるべきこと
02.11.21素敵なあしたそして夢を
02.10.21web化一周年記念企画 いま、専門書・学術書がおもしろい! その装丁、その独自の世界
02.09.21一度限りの大切な人生
02.08.21傷ついた地球の未来は…
02.07.21もっと知りたい隣の国―韓国
02.06.21歴史に誘われて
02.05.21現実を見極め、錯覚からの脱出
02.04.21知恵と勇気を与える一冊
02.03.21学校が良くなる、教育が変わる
02.02.21新しいアジア像の創造
02.01.21この一冊から始めてみませんか
01.12.21富は日本人を豊かにしたか
01.11.21クリスマスに贈りたい本
01.09.21限りなく愛するとは…最も個人的な心の世界へ
01.08.21ゆっくりと日本を考えよう