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―いつか、きっと理解される日が来る!―
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吉野裕子著 3150円(税込み) 人文書院( この本のページ )
日本民俗学に新たな道を切り拓いた吉野裕子の著作、既刊本22冊を全12巻に配し、加えて単行本未収録の主要論考を最終巻に収める。2007年1月〜12月、毎月刊行で完結予定 『吉野裕子全集』全12巻がスタートした。これまで単行本として刊行された書物のほぼ全てを年代順に収める。今回の第1回配本第1巻には、『扇』と『祭りの原理』が収録されている。『扇』は「性と古代信仰」と副題に示されるように、日本古代の信仰世界に、真正面から性のテーマを持ち込んだことが独特である。扇の出自をめぐるこの興味津々の謎解きをひもとくと、これまで性が民俗学ではタブー視されてきたこと、これほど重要な問題が看過されてきたことが不思議なくらいである。著者の名は、民俗学や歴史に興味のある読者には、易・陰陽五行と結びつけられることが多いと思うが、2作目の『祭りの原理』では、日本の原始信仰・呪術の世界に大陸渡来の陰陽五行説が習合して新しい古代呪術世界を現出させていることが夙に指摘されている。 易・陰陽五行というのは、易しくて、かつ難解だ。 易しいというのは、寸毫も情緒的な解釈の介入を許さない、単純明快な哲理であるからである。それは中国四千年の歴史の時間に洗われ、見事な世界理解を形づくっている。わが国も、大陸や朝鮮半島との交流の中でその多くを受容し、わが国なりに咀嚼してきた。 難解というのは、その哲理が、われわれの暮らしや習俗、祭りなどの襞々にもはや溶け込み隠されて、その正体を明らかにしがたいことだ。余りにも日常的になって、それと言われるまで意識にのぼらなくなっていることである。 例えば五行。青春、白秋、なら誰でも知っている。それに朱夏、玄冬が加わって四季となり、各季のあいだに、土用があることで、春(青)・夏(赤)・秋(白)・冬(黒)・土用(黄)の木火土金水の五行(五つのめぐり、働き)が成立する。しかも春―青の木気のラインは季節・色彩にとどまらず、方位では東、1日の時間では朝、五臓では肝臓、五味では酸、五常では仁……と、天文、生物、感覚、徳目に至るまで、およそ人間とそれを包む世界の事象の万般に及ぶのである。こうした理解を文字通りに受取ることは易しいことだが、それらが昔も今も、われわれの生の全体を律し、信仰や習俗を見るときに必要不可欠であると言われれば、ことはそう容易なことではなくなる。著者が長年にわたって、数々の著作で説いてきたのは、まさにその一点だった。 『日本古代呪術』『隠された神々』(以上、第2巻収録)『陰陽五行思想からみた日本の祭』(第3巻収録)等々、これら以降の論考はすべて、わが奈良朝にもたらされ、その後の千年余、日本人の生活・社会を全面的に支配してきた易・陰陽五行説の日本的受容、展開を様々な局面で切りとり、繰り返し追究したものである。この前人未踏の仕事に打ち込んだ著者の情熱の軌跡を、このたび、全集の編集にたずさわって、かすかながらでもなぞることが出来たのは、有難いことであった。筆者は編集者として、四半世紀近く、著者の謦咳に接し、その都度、その折々の着想を第一番目の読者として拝聴してきたが、掌を指すがごとき易・五行の理解の深さ、その発想の大胆、連想の意外にはほとほと驚嘆している。しかし半世紀近くこのテーマを追究してきた著者にして、日暮れて道遠しという。 ――この問題の大切さをみんなが判ってくれる日が、きっと来るわ! 著者の口癖である。この問題の大切さ――つまり、こうした理解は、ただに歴史や古来の習俗、祭りを見る際に必要であるばかりでなく現代人のわれわれを包む世界を、根源から、正しく見る際にも必要なのである。古い祭りや習俗がどんどん消え失せていく現在、この哲理はますます人々の意識から遠ざかるばかり。いま『吉野裕子全集』を刊行することの意義の大きさをかみしめている。 人文書院 〒612‐8447 京都市伏見区竹田西内畑町九 Tel075(603)1344 Fax075(603)1814 http://www.jimbunshoin.co.jp
08.04.21 『台頭する中国の草の根NGO』
08.03.21 『フェルメールの秘密』『ルソーの夢』『レオナルドの謎』『ゴッホの魂』
08.02.21 『原典現代中国キリスト教資料集』
08.01.21 『エウクレイデス全集』[全5巻]
07.11.21 いまなぜ信金・信組か
07.09.21 『百人一首大事典』
07.08.21 『世界がキューバ医療を手本にするわけ』
07.07.21 (1)『いのちってなんだろう』 (2)『自分ってなんだろう』
07.06.21 『10代の心と身体のガイドブック』
07.05.21 新自由主義
07.04.21 大学での学び方―「思考」のレッスン―
07.03.21 南原繁の言葉
07.02.21 『吉野裕子全集』
07.01.21 藤沢周平に学ぶ―人間は、人生は、こうありたい……―
06.11.21 『ブラックバスを退治する』
06.09.21 「私を忘れないで」とムスリムの友は言った
06.08.21 『プロカウンセラーが読み解く 女と男の心模様』
06.07.21 憲法が変わっても戦争にならないと思っている人のための本
06.06.21 復刻版 大宇宙の旅
06.05.21Dr.金田一&柴田理恵のことば診療所
06.04.21脱アイデンティティ
06.03.21農業技術事典NAROPEDIA
06.02.21アメリカの連邦財政
06.01.21舞台一阪神淡路大震災】全記録
05.11.21国際政治事典
05.09.21自然と人間リーディングス
05.08.21子ども図書館をつくる
05.07.21戦後史大事典
05.06.21愛する人がアルツハイマー病になった時
05.05.21子どもの英語学習
05.03.21マンガ 出張先は北朝鮮
05.02.21現代農業
05.01.21ナラティヴの臨床社会学
04.11.21「ひろさちやの祖師を読むシリーズ」全6巻
04.09.21安房直子コレクション全7巻
04.08.21写真でみせる回想法
04.07.21臨床心理学全書 全十三巻
04.06.21マキャベリ的知性と心の理論の進化論
04.05.21『サトラップの息子』『クレモニエール事件』『石、紙、鋏』
04.04.21夏目漱石原稿「道草」全三巻
04.03.21写真ものがたり 昭和の暮らし 全5巻
04.02.21育ちゆく子に贈る詩(うた)
04.01.21いきものをまもるシリーズ1 コウノトリのふるさと
03.11.21《花の詩画集》 花よりも小さく
03.09.21ダイナミック・メディシン 全七巻+別巻 完結
03.08.21大和の古墳I
03.07.21水をめぐる人と自然
03.06.21定本 手塚治虫の世界
03.05.21変わる家族 変わる食卓
03.04.21新英和中辞典 第7版
03.03.21餓鬼一匹
03.02.21魂の錬金術
03.01.21(図説)世界の歴史(1)「歴史の始まり」と古代文明
02.12.21耳をすまして
02.09.21ドイツの生涯学習
02.08.21星空散歩ができる本 南半球版
02.07.21仏教美術事典
02.06.21一日一書
02.05.21「現場」のちから
02.04.21検証―なぜ日本の科学者はむくわれないのか
02.03.21誰か死ぬのを手伝って
02.02.21アイデンティティとライフサイクル論
02.01.21認知意味論のしくみ
01.11.21(シリーズ身体とシステム)第1期全6冊
01.09.21国鉄・JR 列車名大事典
01.08.21ミステリー・リーグ