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―戯曲によって映像の向こう側にある「真実」を描く―
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岡本貴也著四六判 1680円(税込)三修社( この本のページ )
阪神・淡路大震災をテーマとする「事実劇」。新聞やテレビでは語られなかった現場の空気感を忠実に再現。映像の向こう側にある「人間の真実」を描く作品。NHKほか、ラジオ、全国紙、地方紙を始め数多くのメディアより紹介された【舞台|阪神淡路大震災】の全記録。
阪神・淡路大震災から9年半後の2004年。神戸市出身の著者(脚本家、演出家)岡本貴也は、「阪神淡路大震災」というタイトルの戯曲を書き上げ、座席数100名に満たない小さな劇場で1週間上演しました。
そして2005年は、震災後10年目の年でした。著者は「阪神・淡路大震災10周年記念事業」「震災10年 神戸からの発信」の助成を受けて、初演台本をリニューアルし、タイトルを【舞台|阪神淡路大震災】として、新潟、岩手、盛岡、仙台、そして震災の地である神戸、西宮で公演をすることとなりました。06年の今年は、全国ツアーの終着点として東京で上演されることが決まっています。
本書は、上演された戯曲を完全収録するとともに、その初演から再演に至る1年あまりの出来事をドキュメントとして綴っています。「全記録」と題した所以です。
震災報道に限らず、新聞やテレビなどの一般のマスメディアは、圧倒的な影響力を持つ反面、現場の空気感というものまでは伝えることはできません。もちろん、「演劇」という表現形式も「現場」そのものではありません。しかし、演劇は、生身の役者が演じることで、映像の向こう側にある「真実」を伝えることができるのだと思います。この脚本から、未曾有の大震災を経験していない方々に「真実」を伝えたいという作家の熱い意図を感じることができます。
編集担当者も脚本を手にするまでは、「なぜいま阪神淡路大震災?」という、東京に住む人間特有の疑問を持っていました。しかし、現実に起きた「事実」を積み重ね「真実」に迫ろうとしている脚本に接するや否や、この戯曲を、書籍として残しておきたいと思うに至りました。「映像の向こう側にある真実」すなわち「人間の真実」が描かれているからです。
それでは、「映像の向こう側にある真実」とはなんでしょうか?
瓦礫の中に挟まれた子どもを助けようにも、間近に迫る火災のために、はがいじめにされてその場を立ち去らざるを得なかった母親の無念さ。どこに何があるのか分からないような家屋の倒壊現場。災害さえなければごく普通に暮らしていたはずの家族や夫婦が崩壊していく様子。国道をまたいでホースを数十本つなぎ、消火にあたったもののホースが破裂してしまう消防士たちの無念さ。医師・看護師たちの不屈の医療活動。そして被災者たち。この脚本から知ることのできる「被災という真実」は、読み手である私たちに、これでもかこれでもかと迫ってきます。この戯曲には「震災の現場感・空気感」が余すところなく描かれています。
今回のテーマとなった阪神・淡路大震災、その後の中越地震を経て、東海地震の可能性も指摘されるいま、わが国の防災体制は格段の進歩を遂げつつあります。しかし、ハード面はいかに整備されようと、それを支える私たちひとりひとりに問題は還元されてきます。この脚本は私たちに、家族のこと、友人のこと、住む街のことなどを考えるきっかけを与え、心に温かさを残してくれます。
さらに、この書籍は、実務的に、この演劇がどのようにして作られ、どのような過程を辿って全国へ飛び立ち、神戸・西宮という紛れもない被災地での公演で、著者、俳優、スタッフたちがどのような答えを手に入れたかも記録しています。加えて、ほぼ全部の公演が現地プロモーターがいない、業界用語で言うところの「手打ち」公演であるこの【舞台|阪神淡路大震災】から、俳優業、演劇ビジネス、企画、脚本、演出、小劇場や一般演劇、ショービジネス、さらにはチーム運営、経営、営業などの多様な要素を読み取ることができます。著者と編集者は、本書を「人間」に興味のある方にぜひ読んでいただきたいと、心から望んでいます。
08.04.21 『台頭する中国の草の根NGO』
08.03.21 『フェルメールの秘密』『ルソーの夢』『レオナルドの謎』『ゴッホの魂』
08.02.21 『原典現代中国キリスト教資料集』
08.01.21 『エウクレイデス全集』[全5巻]
07.11.21 いまなぜ信金・信組か
07.09.21 『百人一首大事典』
07.08.21 『世界がキューバ医療を手本にするわけ』
07.07.21 (1)『いのちってなんだろう』 (2)『自分ってなんだろう』
07.06.21 『10代の心と身体のガイドブック』
07.05.21 新自由主義
07.04.21 大学での学び方―「思考」のレッスン―
07.03.21 南原繁の言葉
07.02.21 『吉野裕子全集』
07.01.21 藤沢周平に学ぶ―人間は、人生は、こうありたい……―
06.11.21 『ブラックバスを退治する』
06.09.21 「私を忘れないで」とムスリムの友は言った
06.08.21 『プロカウンセラーが読み解く 女と男の心模様』
06.07.21 憲法が変わっても戦争にならないと思っている人のための本
06.06.21 復刻版 大宇宙の旅
06.05.21Dr.金田一&柴田理恵のことば診療所
06.04.21脱アイデンティティ
06.03.21農業技術事典NAROPEDIA
06.02.21アメリカの連邦財政
06.01.21舞台一阪神淡路大震災】全記録
05.11.21国際政治事典
05.09.21自然と人間リーディングス
05.08.21子ども図書館をつくる
05.07.21戦後史大事典
05.06.21愛する人がアルツハイマー病になった時
05.05.21子どもの英語学習
05.03.21マンガ 出張先は北朝鮮
05.02.21現代農業
05.01.21ナラティヴの臨床社会学
04.11.21「ひろさちやの祖師を読むシリーズ」全6巻
04.09.21安房直子コレクション全7巻
04.08.21写真でみせる回想法
04.07.21臨床心理学全書 全十三巻
04.06.21マキャベリ的知性と心の理論の進化論
04.05.21『サトラップの息子』『クレモニエール事件』『石、紙、鋏』
04.04.21夏目漱石原稿「道草」全三巻
04.03.21写真ものがたり 昭和の暮らし 全5巻
04.02.21育ちゆく子に贈る詩(うた)
04.01.21いきものをまもるシリーズ1 コウノトリのふるさと
03.11.21《花の詩画集》 花よりも小さく
03.09.21ダイナミック・メディシン 全七巻+別巻 完結
03.08.21大和の古墳I
03.07.21水をめぐる人と自然
03.06.21定本 手塚治虫の世界
03.05.21変わる家族 変わる食卓
03.04.21新英和中辞典 第7版
03.03.21餓鬼一匹
03.02.21魂の錬金術
03.01.21(図説)世界の歴史(1)「歴史の始まり」と古代文明
02.12.21耳をすまして
02.09.21ドイツの生涯学習
02.08.21星空散歩ができる本 南半球版
02.07.21仏教美術事典
02.06.21一日一書
02.05.21「現場」のちから
02.04.21検証―なぜ日本の科学者はむくわれないのか
02.03.21誰か死ぬのを手伝って
02.02.21アイデンティティとライフサイクル論
02.01.21認知意味論のしくみ
01.11.21(シリーズ身体とシステム)第1期全6冊
01.09.21国鉄・JR 列車名大事典
01.08.21ミステリー・リーグ