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変動期の生涯学習
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三輪建二著 A5判 2520円(税込) 東海大学出版会( この本のページ )
変動する社会の中での生涯学習の動向を参加者・学習者の視点をふまえながらくわしく解説する。ドイツ独自の思考様式にたった生涯学習の理論と実践は、概念整理が十分とはいえない日本の生涯学習分野においておおいに役立つ一書である。
なぜ、「ドイツの生涯学習」なのか?
1990年代半ばにおこったバブル崩壊以降、私たちをとりまく状況は年々きびしいものとなっている。長期にわたる経済不況、政治不信をはじめ、既存の価値観がつぎつぎと崩壊している。私たちはどこへ向かっているのか? 何をすればいいのか? そんな状況から抜けだすために、あるいは、自分の人生をよりよく生きるために、「生涯学習」に参加するおとなの学習者が増えてきている。
一方、ドイツでは、東西ドイツの統一・外国人労働者・EU統合などの政治変動や経済上の諸問題によって、ドイツ人のアイデンティティは動揺した。そのような混乱の中にあって、ドイツ人は価値観の衝突からすこしずつ新しいものを生み出そうとしている。18世紀にその起源をもつといわれるドイツの成人教育・生涯学習は、このような時代背景のもとでどのような役割を果たしているのだろうか?
以上のような経緯から、生涯学習論・成人教育方法論を専門とし、その分野で多数の著書をもつ、お茶の水女子大学教授の三輪建二先生に執筆を依頼した。2001年はじめに執筆を依頼した後、三輪先生は二度ほどドイツに渡って現在の状況を調査し、本書にドイツの生涯学習の最新知見を加えてくださった。
様々な価値観に対応する
アメリカ合衆国や日本の生涯学習などとくらべると、ドイツ連邦共和国の生涯学習は、理論においても実践の場面においても、価値観の葛藤をはっきりと認識したうえで論議をつみ重ねるといった、弁証法的・二律背反的な思考様式にたっている。
外部からの強制と参加者の自発性、教えることと学ぶこと、学問の論理的な体系と参加者のニーズ、資格提供の講座と日常の問題をめぐる話し合い学習、ドイツ人の学習と外国人の学習……。相互に異なるテーマや価値観の衝突や葛藤を否定せず、それらを正面からみすえ、たえず試行錯誤と省察をくり返しながら解決をはかろうとしている。
これまでにみられないほど価値観が多様化している現在の日本において、ドイツの生涯学習はおおいに参考となる。
また、生涯学習を支援する成人教育者・学習支援者(教育職員)の役割も重要である。参加者の自発性を尊重しつつ、専門知識と参加者のニーズを結びつける教育職員の専門性および、学習支援の方法についても検討する。おとなの学習者に対する教育方法論については、三輪建二 著『現代ドイツ成人教育方法論―成人の日常意識とアイデンティティ』(小会刊)をあわせて読んでいただきたい。
大学の生涯学習施設
日本では、近年数多くの高等教育機関(大学・短期大学・専門学校)が生涯学習施設を開設し、社会人や一般市民に公開講座を提供している。内容もカルチャーセンターの講座のようなものから、きわめて専門的なビジネススクールまで、はば広いものとなっている。それぞれの大学・短期大学の特徴をいかした講座づくりが、今後より必要となってくるだろう。また、生涯学習施設のほか、聴講生、夜間大学・夜間大学院、社会人特別入学試験など、さまざまな形態や方法での社会人学生の受けいれがすすみつつある。
本書では、ドイツの大学における継続教育センターの事業、高齢者の大学の事例、大学での成人教育の研究・成人教育の教育学資制度について検討している。少子化にともなう18歳人口の減少がおおきな問題となっている日本の高等教育機関において、これらの事例は指針となる。
高齢者の学修
日本は1997年に65歳以上の高齢者が全人口の14パーセントをこえる「高齢社会」に突入している。高齢者教育(高齢者を対象とする教育、および高齢に関する教育)においていくつかの試みがおこなわれているが、大学開放事業では高齢者を対象とした教育事業をおこなっている事例はほとんどない。
ドイツでは、すでに55の大学で「シニア学修」と称される高齢者を対象とする教育事業が実施されている。実際のプログラムを検討することによりわが国における高齢者を対象とした教育に方向性が与えられるのではないだろうか。
すこしでも生涯学習に興味のある読者に、ぜひ読んでいただきたい。
A5判・上製・258頁
2520円(税込)
東海大学出版会 〒151―0063 渋谷区富ヶ谷2―28―4
TEL03―5478―0891
FAX03―5478―0870
08.04.21 『台頭する中国の草の根NGO』
08.03.21 『フェルメールの秘密』『ルソーの夢』『レオナルドの謎』『ゴッホの魂』
08.02.21 『原典現代中国キリスト教資料集』
08.01.21 『エウクレイデス全集』[全5巻]
07.11.21 いまなぜ信金・信組か
07.09.21 『百人一首大事典』
07.08.21 『世界がキューバ医療を手本にするわけ』
07.07.21 (1)『いのちってなんだろう』 (2)『自分ってなんだろう』
07.06.21 『10代の心と身体のガイドブック』
07.05.21 新自由主義
07.04.21 大学での学び方―「思考」のレッスン―
07.03.21 南原繁の言葉
07.02.21 『吉野裕子全集』
07.01.21 藤沢周平に学ぶ―人間は、人生は、こうありたい……―
06.11.21 『ブラックバスを退治する』
06.09.21 「私を忘れないで」とムスリムの友は言った
06.08.21 『プロカウンセラーが読み解く 女と男の心模様』
06.07.21 憲法が変わっても戦争にならないと思っている人のための本
06.06.21 復刻版 大宇宙の旅
06.05.21Dr.金田一&柴田理恵のことば診療所
06.04.21脱アイデンティティ
06.03.21農業技術事典NAROPEDIA
06.02.21アメリカの連邦財政
06.01.21舞台一阪神淡路大震災】全記録
05.11.21国際政治事典
05.09.21自然と人間リーディングス
05.08.21子ども図書館をつくる
05.07.21戦後史大事典
05.06.21愛する人がアルツハイマー病になった時
05.05.21子どもの英語学習
05.03.21マンガ 出張先は北朝鮮
05.02.21現代農業
05.01.21ナラティヴの臨床社会学
04.11.21「ひろさちやの祖師を読むシリーズ」全6巻
04.09.21安房直子コレクション全7巻
04.08.21写真でみせる回想法
04.07.21臨床心理学全書 全十三巻
04.06.21マキャベリ的知性と心の理論の進化論
04.05.21『サトラップの息子』『クレモニエール事件』『石、紙、鋏』
04.04.21夏目漱石原稿「道草」全三巻
04.03.21写真ものがたり 昭和の暮らし 全5巻
04.02.21育ちゆく子に贈る詩(うた)
04.01.21いきものをまもるシリーズ1 コウノトリのふるさと
03.11.21《花の詩画集》 花よりも小さく
03.09.21ダイナミック・メディシン 全七巻+別巻 完結
03.08.21大和の古墳I
03.07.21水をめぐる人と自然
03.06.21定本 手塚治虫の世界
03.05.21変わる家族 変わる食卓
03.04.21新英和中辞典 第7版
03.03.21餓鬼一匹
03.02.21魂の錬金術
03.01.21(図説)世界の歴史(1)「歴史の始まり」と古代文明
02.12.21耳をすまして
02.09.21ドイツの生涯学習
02.08.21星空散歩ができる本 南半球版
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02.04.21検証―なぜ日本の科学者はむくわれないのか
02.03.21誰か死ぬのを手伝って
02.02.21アイデンティティとライフサイクル論
02.01.21認知意味論のしくみ
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