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列車が語る日本鉄道史
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寺本光照著 A5判上製・624頁 3990円(税込) 2000/7/23刊 中央書院 ( この本のページ )
21世紀最初のJRダイヤ改正が行われた今年3月、大阪―青森間を長年走り続けてきた特急「白鳥」が廃止されたことは記憶に新しい。マスコミ各社がこぞって取りあげた理由としては、1040キロを走る最長距離昼行列車であったこと以外に、“旅行や出張の中心手段として、鉄道がわが世の春を謳歌していたよき時代”の名残を伝える特急「白鳥」との別れにノスタルジーを感じる人が多かった、ということだろう。
では、この「白鳥」という美しい愛称は、いつから使われていたのだろう。本書によれば――。
特急「白鳥」の運転開始は1961年(昭和36)10月1日。当時は大阪と青森・上野とを結ぶディーゼル列車で、青森行きと上野行きが併結になる大阪―直江津間ではなんと食堂車が2両とも営業していた。さらにそれ以前には、1960年(昭和35)12月28日から1961年9月14日まで、秋田―青森―鮫(八戸線)間のローカル準急の名として使われており、特急への“栄転”に伴って、準急は「岩木」と改称したこともわかる。
列車の愛称名は、正式には「列車名」という。鉄道史を彩る国鉄〜JRの列車名は、1929年(昭和4)命名の「富士」「櫻」を嚆矢とする。
1920年代、すなわち大正末期から昭和初期にかけての日本は、第一次大戦後の不況のほか、関東大震災や金融恐慌にも見舞われ、経済はどん底状態であった。巷には失業者があふれ、鉄道も旅客・貨物ともに輸送力を持て余し気味だった。そこで国鉄(当時は鉄道省)は、旅客サービス向上の一環として、東京―下関間に2往復だけ運転されていた特急列車に名前を付けて、広く一般に親しんでもらおうと考えたのである。
公募の結果、第1位の「富士」が1・2等特急に、3位の「櫻」が3等特急に採用された。2位の「燕」については、翌1930年(昭和5)10月から東京―神戸間で運転開始予定の“超特急”に使われることになる。
本書は、これ以後現在にいたるまで70年余の定期優等列車(特急・急行・準急)すべてに加え、著名な臨時列車(「ひので」「きぼう」などの修学旅行専用列車を含む)を合わせ、計541種の列車名を取りあげた。
「あい」「あいづ」「青島」「あおば」に始まり、「わこうど」「わこと」「鷲羽」「わたらせ」まで50音順に配列し、設定・廃止年月日等の基礎データはもとより、列車設定の経緯、変遷や列車名の由来などを中心に、その列車にまつわる種々のエピソードも紹介している。「鉄道運輸史」研究の第一人者と目される著者の、30年以上に及ぶ研究の一大成果ともいうべき労作だ。
著者・寺本光照氏は、1950年(昭和25)大阪府出身。すでに高校時代から鉄道雑誌に投稿を始め、現在は小学校教諭として勤務するかたわら、鉄道雑誌等で多彩な執筆活動を続けている。 本書の企画スタートは、早5年前にさかのぼる。列車名の設定・廃止日や名称の由来を1冊にまとめた本が欲しいという編集部の要望を、著者は2つ返事でOKしてくれた。もちろん「教諭として勤務するかたわら」の執筆となるため、著者も編集部も、脱稿までにはある程度の時間がかかるであろうことは覚悟していたのだが……。
1929年以降国鉄〜JRで採用された列車名は、細分化すれば、定期優等列車だけでも700種を超える。普通・快速列車や臨時列車として運転されたものを加えると、その数は1500種以上にも及ぶと思われた。そこで、本書では、「スーパー××」「Max○○」といった接頭語付きの列車名は極力統合し、ノミネート数を何とか541種に絞った。
しかし、541種の列車にもそれぞれの“人生”がある。各列車ごとに「どうしてもこれだけは記しておきたい」といった話題は数多く、中心となる「列車名別解説」の執筆だけでも約4年半の歳月を要し、結果、A5判・本文8ポ2段組で600ページ以上に及ぶボリュームとなった。写真も、著者自身の撮影を主に300点以上掲載している。
しばしば行われるダイヤ改正のたびに部分的な書き直しを迫られたが、最終的に記述は、20世紀最後のダイヤ改正日である2000年12月2日を基本として、今年7月1日の改正ダイヤをもフォローした。
また巻頭には、時系列による総説「列車名70年の歩み」および「ネームドトレイン関連年表」を、さらに巻末資料として、2000年12月現在の「愛称付きJR快速・普通列車一覧」「愛称付き私鉄列車一覧」ならびに「用語説明」を収録し、「列車名別解説」を補完した。
著者自身の、鉄道や列車に対する熱い思い入れを込めたこの“私家版事典”は、20世紀を駆け抜けた「名列車」の完全記録として、『大事典』という書名に恥じない内容であると、著者・編集部ともに自負している。
08.04.21 『台頭する中国の草の根NGO』
08.03.21 『フェルメールの秘密』『ルソーの夢』『レオナルドの謎』『ゴッホの魂』
08.02.21 『原典現代中国キリスト教資料集』
08.01.21 『エウクレイデス全集』[全5巻]
07.11.21 いまなぜ信金・信組か
07.09.21 『百人一首大事典』
07.08.21 『世界がキューバ医療を手本にするわけ』
07.07.21 (1)『いのちってなんだろう』 (2)『自分ってなんだろう』
07.06.21 『10代の心と身体のガイドブック』
07.05.21 新自由主義
07.04.21 大学での学び方―「思考」のレッスン―
07.03.21 南原繁の言葉
07.02.21 『吉野裕子全集』
07.01.21 藤沢周平に学ぶ―人間は、人生は、こうありたい……―
06.11.21 『ブラックバスを退治する』
06.09.21 「私を忘れないで」とムスリムの友は言った
06.08.21 『プロカウンセラーが読み解く 女と男の心模様』
06.07.21 憲法が変わっても戦争にならないと思っている人のための本
06.06.21 復刻版 大宇宙の旅
06.05.21Dr.金田一&柴田理恵のことば診療所
06.04.21脱アイデンティティ
06.03.21農業技術事典NAROPEDIA
06.02.21アメリカの連邦財政
06.01.21舞台一阪神淡路大震災】全記録
05.11.21国際政治事典
05.09.21自然と人間リーディングス
05.08.21子ども図書館をつくる
05.07.21戦後史大事典
05.06.21愛する人がアルツハイマー病になった時
05.05.21子どもの英語学習
05.03.21マンガ 出張先は北朝鮮
05.02.21現代農業
05.01.21ナラティヴの臨床社会学
04.11.21「ひろさちやの祖師を読むシリーズ」全6巻
04.09.21安房直子コレクション全7巻
04.08.21写真でみせる回想法
04.07.21臨床心理学全書 全十三巻
04.06.21マキャベリ的知性と心の理論の進化論
04.05.21『サトラップの息子』『クレモニエール事件』『石、紙、鋏』
04.04.21夏目漱石原稿「道草」全三巻
04.03.21写真ものがたり 昭和の暮らし 全5巻
04.02.21育ちゆく子に贈る詩(うた)
04.01.21いきものをまもるシリーズ1 コウノトリのふるさと
03.11.21《花の詩画集》 花よりも小さく
03.09.21ダイナミック・メディシン 全七巻+別巻 完結
03.08.21大和の古墳I
03.07.21水をめぐる人と自然
03.06.21定本 手塚治虫の世界
03.05.21変わる家族 変わる食卓
03.04.21新英和中辞典 第7版
03.03.21餓鬼一匹
03.02.21魂の錬金術
03.01.21(図説)世界の歴史(1)「歴史の始まり」と古代文明
02.12.21耳をすまして
02.09.21ドイツの生涯学習
02.08.21星空散歩ができる本 南半球版
02.07.21仏教美術事典
02.06.21一日一書
02.05.21「現場」のちから
02.04.21検証―なぜ日本の科学者はむくわれないのか
02.03.21誰か死ぬのを手伝って
02.02.21アイデンティティとライフサイクル論
02.01.21認知意味論のしくみ
01.11.21(シリーズ身体とシステム)第1期全6冊
01.09.21国鉄・JR 列車名大事典
01.08.21ミステリー・リーグ